取材協力:BB FACTORY 取材:小松 男
掲載日:2024/12/26
バイクに乗っていればメンテナンスも必要となるのはもちろんのこと、故障や転倒などのトラブルも出くわすことがあるだろう。カスタマイズも含め自分で作業ができるならば困らないが、多くのライダーはその知識やスキルを持ち合わせていないのが実情といえる。そんなバイクにまつわる困りごとを丸ごと全て受け入れてくれる“バイクの総合病院”的なバイクショップが東京足立にオープンした。その『BB FACTORY』でメカニックを中心にスタッフを集っている。
2024年12月13日に東京都足立区花畑にグランドオープンした『BB FACTORY』。都内はもちろんのこと、遠方ライダーからの持ち込み整備依頼も受け付けている。作業内容は車検、整備、修理、カスタムといったバイクメンテナンスの全般を基本とする。その魅力は何といってもどんなバイクでも面倒をみるといったこだわりと言える。また車輛販売も手掛けるため、バイク購入から整備までその全てお任せできるのである。それって普通のバイクショップでは当たり前では?と思われるかもしれないが、『BB FACTORY』はバイク専門の整備専門店なのである。だから他店やネット、個人から購入したバイクのすべてを見てくれるのである。
そして系列店にはバイク専門のガラスコーティング&洗車をセットとしたサービスを展開する『BB商会バイク洗車センター』がある。『BB FACTORY』でもその受付に対応しており、愛車をいつまでも綺麗な状態で楽しむことが出来るのである。今回、開業前にも関わらず『BB FACTORY』オープンの噂を聞きつけたライダーからの車検や整備などの問合せ予約が入っているといのことだ。これまでにありそうで無かったスタイルのバイク専門の整備ショップが『BB FACTORY』である。
国産の原付スクーターからビックバイクまで。そしてドゥカティやビー・エム・ダブリューといった輸入車、旧車、絶版車などを引き受ける体制が整っており、まさに「バイクの総合病院」的なショップといえる。
2024年12月に新規オープンした『BB FACTORY』。私は今回同店の取材の話をいただいた際、とても嬉しく思った。それというのも今から約半年前に大田区にあるバイク専門ガラスコーティングショップである『BB商会バイク洗車センター』に伺わせていただき、その時に代表を務める斉藤さんから「修理やカスタムをしたいのに行きつけのバイクショップが無くて困っているライダーを助けられるようなショップを今作ろうとしているところなのです」という話を聞いており、それが現実のものとなったということだからである。
そもそも斉藤代表は数年前に再びバイクに乗るようになったいわゆるリターンライダーなのだが、他で購入したバイクの整備を断られることや、昨今営業時間を短縮しているディーラーなども多く、修理やカスタム、対応などにも疑問に感じる点が多々あった。さらには自分と同じように困っているライダーは多いことも知り、それならばこの際思い切って立ち上がり、多くのライダーを助けられるようなショップを作りたいと考えたのである。そんな『BB FACTORY』でスタッフを募集中ということで、今回はオープン前(現在開業中)の同店を訪ねて職場環境や仕事内容などを伺ってきたのでご紹介していこう。
まず代表の齊藤さんに『BB FACTORY』の特徴や目指している方向性、そしてどのようなスタッフを求めているのか話を聞くことから始めた。
斉藤代表:バイクメーカー直系の正規ディーラーから色々なブランドの車両を扱う店、中古車販売店や、整備などを行わず売りっぱなしの店など、世の中には多くのバイクショップがありビジネスの方向性やスタイルなども千差万別です。それはそれで良いのですが、インターネットが普及したこともありユーザー側は、ネットオークションやフリマサイトなどを利用し個人売買も楽しんでおり、そのように手に入れた車両のメンテナンスやカスタムを受け入れないというバイクショップはたくさんあり、メンテナンス難民となっているライダーは多いのです。カスタムに関しても同様で、ネットを通じてせっかく海外から取り寄せたパーツなのに取り付けることができず物置に眠らせているという話も耳にします。
私自身もバイクの整備などで困ることがありましたし、同じように困っているライダーを助けられるバイクの総合病院のようなバイクショップがあれば良いと考えて『BB FACTORY』を開業しました。メーカー系ディーラーが増え、町のバイク屋が減るという現在の状況において、時代を逆行していると思われるかもしれませんが、ユーザー視点で考えると絶対に喜んでもらえると思うのです。
斉藤代表:50代でも60代でも結構なので、できれば整備士としての経験を持つ方にスタッフとして加わってほしいですね。現在バイクショップでメカニックとして働いている方の中にも、もっとバイクを触りたいとか絶版車やプレミアムモデルの整備を行いたいと考えている人もきっといると思うのです。そういったメカニックの方々は失敗や経験を積み重ねて現在に至るわけですからその知識や技術を活かして頂き、先輩ライダーとしてもお客様に色々バイクライフのことを伝えていって欲しいと考えております。『BB FACTORY』は、そのようなベテランスタッフがどんどん活躍できる職場にすることで、次世代ライダーたちにさらなるバイクの楽しみを得てもらいたいと考えています。あとフロントスタッフも募集中なので、とにかく「バイクが好き」という方は応募して欲しいです。
『BB FACTORY』の業務は、基本的には整備と修理を中心とし、カスタムオーダーや系列店の『BB商会バイク洗車センター』施工受付も行います。またバイク販売も行っていきたいと思っています。バイク専門の整備屋が自信を持ってお薦めするバイクを販売することは、お客様にとっても嬉しいサービスになると思うからです。『BB FACTORY』は”ライダーにワクワクを”というミッションを掲げてまして、一緒にそれに実現してくれる心強いスタッフの一員となってもらいたいです。
代表である斉藤さんの言葉からはライダーの目線に立ち、今求められているものや、喜ばれる仕組みというものがしっかりと伝わってきた。それでいながらもちろんボランティアというわけではなく、ビジネスとして他のバイクショップと十分に競合することができるサービスも持ち合わせていることが分かった。原付スクーターを中心に取り扱うような小さな町のバイク屋というのはなかなかビジネス的な面では難しくなってきているのは事実であり、一方でメーカー系ディーラーのようなシステマティックなスタイルだと一般的なライダーでは利用し難い。そのような中誕生した『BB FACTORY』の手法はなかなか興味深く、今後成長していくことが見えるように思えてやまない。
『BB FACTORY』は新規オープンしたばかり、なので在籍するスタッフも長い方で約1年(兄弟店のBB商会洗車センターから移籍)、ほとんどのオープニングスタッフはまだ3か月ほどである。皆フレッシュな感性を持っており、それを出し合い協力しながら業務は進められている。それは今飛び込むべきショップだと思えないだろうか。ここでは『BB FACTORY』のスタッフの声を紹介していこう。
小林 和博さん(2024年2月入社)
小林さん:バイト時代からあわせて15年程、大手バイク用品店のメカニックとして働いていました。その後バイクメーカーに転職したのですが、その会社では仕事が自分に合わずハローワークでバイク業界の求人を探していた時、系列店で先にオープンする『BB商会バイク洗車センター』のことを知ったのです。第一に会社にとって新規事業ということに興味があり、代表の考えや想いにも共感して入社しました。そして『BB商会バイク洗車センター』での運営を軌道に乗せることが出来たこともあり、今回新たな取り組みになるバイク専門の整備ショップ『BB FACTORY』の立ち上げに携わるようになりました。
現在は両店舗の店長を務めております。オープニングスタッフはメカニックが6名、営業フロントが3名、あとパートが若干名で人員構成しています。十分の様に思われるかもしれませんが、バイク整備や車検で持って行くショップの無いライダーが想像以上に多くて、お客様を待たせることなく依頼作業を進めるには、もっとスタッフを増やしてその手を借りたいというのが本音でもあります。求める人は、バイクのことが好きであれば大丈夫だと思いますが、今は即戦力となってもらえるメカニックが嬉しいですね。大型自動二輪免許を持っていて、運搬用トラックの運転もできれば、尚良しです。待遇に関して言えば、自分はこれまでいたどの会社よりも良いと感じています。まだオープンしたてですが、自分の経験や知識をフルに活かしてもらえる職場だと思います。一般ライダーの多くは、基本的に自分でバイクをいじることができません。『BB FACTORY』は、そういったライダーに来て頂き、”行きつけのバイクショップ”にしてもらえれば考えています。
Kさん(2024年10月入社)
店舗2Fのオフィスルーム。作業スケジュールの調整からパーツのオーダー、管理など事務の全般業務を担う。
Kさん:以前はバイクウェアメーカーやカーディーラーなどでの仕事を経験してきました。しかし自分はバイクが好きでバイク業界で働きたいと思い、バイク専門の求人サービス「JOBIKE」を見ていたところ『BB FACTORY』(求人は系列店のBB商会バイク洗車センター)の求人を偶然見つけました。その面接で、これから新しく立ち上げる『BB FACTORY』の話しを伺いました。メーカー、年式、排気量を問わずどんなバイクも受け入れるという代表の構想を聞いて、自然とスタッフとして自分も役に立ちたいと思ったのです。それには過去の経験が関係してました。
以前ネットオークションで手に入れたバイクが壊れてしまい、、どこのバイクショップに持って行っても見てもらえず、門前払いされてしまったのことがありました。ショップの方針もあると思うので頭では理解しましたが、やはりその時は悲しい思いをしました。もし自分と同じような状況で困っているライダーが居て、助けることができるとあれば素晴らしい仕事だと思いませんか? 直感的にそう思いました。
『BB FACTORY』は未だオープンしたばかりで、スタッフ同士協力しあって、分からないことは色々相談もしやすい職場だというのも魅力に感じています。バイクや年齢を問わず、様々なお客様が訪れるショップなので、まずはバイク好きであることが大前提だと思います。そしてお客様との会話を楽しみながら、さらにお客様の立場になり色々考えることができる人に向いていると思います。
JOBIKE編集部より
この記事を書く私は30年以上のバイク歴を持つが、いまだかつて“行きつけのバイクショップ”というものが存在しない。いや正確には以前出入りしていたショップがあったのだが、残念なことに閉業してしまったのである。そんな私が先ほど困ったことは、乗っていたバイクが出先で故障してロードサービスを呼んだ際、どこにも持って行く場所が無かったことだ。ディーラーで購入したバイクやいつも行っている馴染みのバイクショップがある場合は、そこへ運んでもらえれば良いのだが、自分のように持っていくショップが無いと、それも難しい話しとなる。
ここで『BB FACTORY』というバイク専門の整備ショップの存在である。どんなバイクも受け入れるというのは容易でないなことと想像がつくが、それでも行きつけのショップが無く困っているライダーの気持ちを見事に掴んでいると思った。いつどんな時でも来てもらえるように年中無休で運営し営業時間は10時~21時までと遅い時間まで開けているからだ。“全てはライダーのためにやっていることです”と代表の言葉に感銘を受けた。そして、それはスタッフに向けてもしっかり考えられているように感じた。労働環境の整備は会社全体として、どんどん良くしていこうという方針だったり、給与に関してもバイク業界は安いということを打破しようとスタッフ一丸となって頑張り、その頑張った分は給与に反映される給与体系などを考えているからだ。
「働き方改革」ではないが、メーカー系ディーラーでは休日が増えて営業時間も短縮されてきている。ひと昔前のバイクショップは仕事がきつくて辛いという話しは過去のものになりつつあると聞く。しかし、お客様が自分のバイクの整備や車検を受けられず(入庫までに非常に待たされるなど)困っているという状況も生まれきているという。そういう問題を解決することは出来ないだろうかと立ち上がったのが『BB FACTORY』で、私もひとりのライダーとして応援したくなるバイクショップであり、そしてここで働くスタッフにとっては、とてもやりがいがある仕事だと、この取材を通じて感じた。
JOBIKE編集部より
BB FACTORY
〒121-0061
東京都足立区花畑3-9-1 BB商会ビル
電話:03-5851-9819
営業時間: 10:00 - 21:00
定休日 : 年中無休
HP : https://bike-bbfactory.tokyo/
EMAIL : info@bike-bbfactory.tokyo