取材協力:株式会社ベルウッドコーポレーション 取材:小松男
掲載日:2024/05/15
バイクは「買っておしまい」というものではない。ツーリングに出かけて仲間ができたり、カスタムを行ったり運転技術の向上に精を出すなど、行動範囲が広がるのみならず、バイクを手に入れてから広がる世界にこそ魅力を感じられるものだ。そんなバイクライフを豊かなものにするためには、バイクショップとの付き合いというのも大切なポイントとなってくる。
東京都、千葉県に跨り、3店舗のバイクショップを展開している『ベルウッド』。東京の下町、月島で創業した老舗ブランドであり、長年にわたりライダーのバイクライフを支えてきたベルウッドでは、バイク業界の今後を見据え、メカニックを中心にスタッフの募集を行っている。今回はベルウッド京葉店に伺い、代表をはじめ従業員さんへのインタビューを通じて同店で働くことの魅力を探った。
株式会社ベルウッドコーポレーションの代表取締役を務める鈴木健二さん。多方面の異業種にも精通しており、バイクユーザーを取り巻く環境やバイク業界で働く人の将来を明るくしたいという思いのある方だ。
今回のJOBIKE特集記事では、3店のバイクショップを展開する『ベルウッド』に伺った。ユーザーのバイクライフを支え、在籍するスタッフが楽しくやりがいを持てる職場環境について、インタビューを通して皆さんに共有していきたい。まずはベルウッド代表取締役の鈴木健二さんの話からご紹介しよう。
鈴木代表:ベルウッドは東京月島で創業し、最初は自転車を中心に取り扱うところからスタートしました。後にバイクショップとなり、多店舗展開を行いながら成長、現在の姿となりました(現在はバイクを扱う店舗が3つ、自転車を扱う店舗が8つの構成)。バイクショップを長年続けていると色々なことがありますが、ベルウッドではいつもその時代に合わせ、臨機応変に対応してきました。昔はメガスポーツやビッグスクーターを豊富に取り揃えていたこともあったり、当店でも外車を取り扱っていたこともありました。人気の車両やカスタムの方向性も時代によって流行り廃りがあるため、その時代の客様のニーズに応えられるよう、柔軟にお店のスタイルを変化させてきました。ここ最近の話で言えば、新型コロナウイルス問題からバイクブームが訪れ、新車・中古車を問わず、飛ぶように車両が売れました。少し前まではメーカーの生産が追い付かない状況でしたが、車両も安定的に供給されるようになり、最近ではコンスタントに入荷するようになりました。中古車の相場も落ち着きを取り戻し、所謂 “バイクブーム” は過ぎ去った感じがしています。
そこでこれからは、整備力をさらに引き上げたいと考えているのです。バイクブームの終焉とともにビジネスに陰りが見えているお店もあるでしょうし、中には後継ぎ問題などでやむを得ず閉業をするショップもあります。そのような状況のなか、メンテナンス難民も増加傾向にあります。現在ではベルウッドのお客様を中心に整備を受け付けている状況ですが、出来れば閉業他店の受け皿的な存在になっていきたいとも考えているのです。
鈴木代表:現在ベルウッドではメカニックスタッフを募集しています。閉業されたショップに勤めいていた方でも、地方から出てきたいと考えている人でも結構です。現在在籍するスタッフの多くは割と年齢も高いので付き合いやすいですし、新しい環境に慣れようとさえ考えてもらえれば、きっと長く働きたいと思ってもらえるはずです。
心機一転、新しい職場に身を置いて整備がしたいという方や、自分の年齢が高くなってきていることがネックで転職に躊躇している方がいらっしゃれば、いつでも連絡して欲しいものです。できればバイクやクルマの整備に携わったことがあれば嬉しいですし、40、50代でも大歓迎です!年齢は問いません。通勤用のスクーターを購入する際の補助金や、地方にお住まいの方で通勤圏内へお引越しされる方へのお祝い金なども準備しておりますので、是非お気軽にご応募ください。
鈴木代表の話からは、バイク業界で働く方々と多くのユーザーの今後を支えていきたいという気持ちが伝わってきた。メンテナンス難民のユーザーを救いたいという思いもあり、機械的なトラブルに見舞われて取り付く島もなくなりバイクを降りてしまうようなことがないよう、環境を整備していきたいと強く願っているのだ。ベテラン従業員が長く在籍することができ、困っているライダーや新たにバイクを購入した人たちの整備の面倒を見て、関係性を深めて次の車両に乗り換えるという、一連の流れをベルウッドで行ってもらうことを目指す。これは健全なバイクショップのあり方だと思う。
ベルウッドに入社したのは38年程前だという店長の小松原さん。実は先代社長時代に客として同店に通っていたことが働くきっかけとなったそう。
バイクはクルマと違って趣味性が高く、メーカーの垣根を超えて色々なモデルの中から自分に合う一台に巡り合いたいと思う人は多い。昔ながらの “町のバイクショップ” が減りつつあるなか、ベルウッドのように色々なメーカーの新車を取り扱うスタイルのお店は、今後さらに注目されるべき存在となっていくだろう。続いては、古くはお客様の立場としてベルウッドに通っていた小松原店長にお話を聞いた。
小松原店長:80年代の旧バイクブームの頃からベルウッドに出入りしており、先代社長に声を掛けられた流れで身を置くようになりました。店長になってからもう20年近くになります。ベルウッドグループでバイクを取り扱う店舗は3店舗ありますが、各店舗にはある程度、在庫発注や店舗運営の自由度があります。お店ごとに特色があるところもベルウッドグループの特徴のひとつですが、私(京葉店)の場合、お店で取り扱う車両やジャンルは、時代に合わせて色々と変えてきました。実は、旧車やビッグバイク、外車などを率先して扱っている時期もあったのです。
私は、ブームが来る前に手を出して、世間がその波に乗ってきたのを見ると飽きてしまうようなタチなのですが、車両のランナップ含め、時代を上手く見据えながら色々なことにチャレンジしてきました。コロナ禍より前に、販売車両のメインを新車に切り替えたことで、多くの新規顧客の方々と出会うこともできました。従業員が増えてさらに安定した後には、再び中古車のラインナップも増やしたいと思っています。
昔と今では交通事情や車両の性能、ひいては社会全体の構造そのものが変化しました。インターネットが普及し、誰しもがスマートフォンを持ち歩くようになったのですから人々の生活も大きく変わったと言えます。最近では来客された方に好みのバイクに跨ってもらい、スマートフォンで写真を撮ってあげるようにしています。戸惑う方もいらっしゃいますが意外と皆さん喜んでくれ、それによってベルウッドの評判が広がっていくということもあります。
小松原店長:職場的には平均年齢が高いこともあり、穏やかな人が多いです。スタッフ同士が付き合いやすいく、いい意味でゆる~い雰囲気も当店の特徴かもしれません(もちろん仕事はしっかり行います)。
お客様とコミュニケーションを取りながら接客、販売、整備を行いますので、未経験の方はもちろん、これまでの経験を活かして働きたいという方でも、ご年齢が理由で転職を迷っている方でも大歓迎です。
ベテランメカニックは即戦力としてのステージがありますし、逆に経験が浅い方でもバイクに興味があれば何でも教えることができますし、納車時の仕上げやオイル交換などのクイックメンテナンスができるだけでも助かります。ストレスのない職場ですので、バイクに触れることを楽しんでくれるのであれば、それだけで良いと思います。
5年前にベルウッド中央店からベルウッド京葉店に移動してきた木田さん。二級整備士資格をお持ちで日々様々な車両の整備を行っている。
2000年に入社した木田さんは、根っからのバイク好きといった雰囲気。気持ちのいい笑顔と確かな腕で、小松原店長からの信頼も厚い。続いては、そんな木田さんにお話を伺った。
木田さん:バイクのことが好きであったり興味があれば、それだけで良いのだと思います。興味があれば自然と、調べようとか習得しようという気持ちに繋がるものですし、そういったモードに入れば未経験者であってもどんどん仕事を覚えていくことができるはずです。だってバイクを触るのは楽しいですよ。仕事は仕事なのですが、いつも「ここをこうすれば効率が良いな」とか「この裏側に配線を通せば外から見えないからスマートだな」など、色々と試行錯誤をすることは楽しいですし、自分自身が楽しんでバイクを整備することは、その結果、お客様が喜んでくれることにも繋がっているのです。
木田さん:メカニックルームは冷暖房完備ですし、スタッフ間のコミュニケーションもいたって平穏です。真剣に整備し、時には談笑し、しっかり休みも取る。残業もほとんどありませんし、給与面や休暇なども不満はないです。失敗を恐れないでやる気がある方であれば、ベルウッドは楽しんで仕事ができるバイクショップですよ。
JOBIKE編集部より
バイクメディア業界にいる私は、このJOBIKEの取材だけでなく日本各地のバイクショップに足を運んでいる。そんな中最近感じていることは、ディーラー然とした綺麗なショップがずいぶん増えたということだ。メーカーの打ち出す素敵なコーポレートアイデンティティに沿って作られた店舗でプレミアム感を得ながらバイクショッピングを楽しむことができることはもちろん良いことでもあって、そういった試みによって新たなバイクファンを生み出しているということは事実でもある。ただし一方で全体的に敷居が高くなってしまっているようにも思えてならない。
今回伺ったベルウッドは絶妙な塩梅のバイクショップだと思う。先述した足を踏み入れにくい店でもなく、逆に頼りがいのない雰囲気も無い。よし、ここでバイクを買ってみようという気にさせてくれる店なのだ。これは従事するスタッフとしてもメリットに思える。職場はアットホームな雰囲気で、しかも快適に作業ができる環境が整っている。このようなバランス感のバイクショップはなかなか無いのだ。
そうそう、待遇のことについても書き記しておくと、“入社お祝い特典”として、
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1、整備士資格を持っていない場合、資格取得までの全費用を補助(この場合、資格手当の支給開始が遅れる)
2、通勤にスクーターを使用する場合、購入費用の半額を負担(125cc以下)。
3、入社を機に通勤圏内に引っ越しをする場合20万円を進呈。
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というサポートが用意されている。
JOBIKEを見ている方の中には、地方のバイクショップに勤めていたが閉業してしまったという人や、いちどはバイクショップから離れたものの、またバイクを触りたいと考えている方もいるだろう。年齢制限もなく、むしろこれまでの経験を活かすことができる土壌が整っていることから、そんな人たちにもピッタリの職場だと私は思う。
JOBIKE編集部より
株式会社ベルウッドコーポレーション
〒132-0022
東京都江戸川区大杉1-2-11
電話:03-3655-4616
営業時間: 【通常】10:00 ~ 19:00(3/1~10/31)
【冬季】10:00 ~ 18:00(11/1~2月末)
定休日 : 毎週水曜日 夏季・年末年始 その他不定休あり
HP : https://www.e-bwc.net/
EMAIL : keiyo@e-bwc.net