取材協力:カワサキフリーダムナナ 八王子本店/東村山店 取材:小松 男
掲載日:2025/07/07
カワサキ、KTM、MUTT、ITALJETを始め、様々なバイクメーカーの車両を取り扱うバイクショップが「カワサキフリーダムナナ」。1990年に創業した同社は、現在では八王子本店と東村山店の二拠点を構えて多摩エリアを中心に広くユーザーをカバーしている。サンデーレースの参戦、オンロード・オフロードを問わず、お客様とスタッフが一緒になってバイクライフを楽しむスタイルにファンも多い。ツーリングからサーキット、ライディングスクールといったバイクを安全に楽しむことを提供するショップだ。
創業から35年間、カワサキフリーダムナナを引っ張ってきた長尾代表。きっかけはバイク好きが高じて、バイクショップに身を置いた後に独立。これまで業界の最前線を走り続けてきた。
35年の長きに渡り、多摩エリアのライダーのバイクライフを支えてきた「カワサキフリーダムナナ」。創業時からのカワサキに始まり、“READY TO RACE”というキャッチコピーで知られるバイクメーカーKTM、英国にルーツを持つビンテージスタイルのMUTT、電動モトクロッサーのサーロンを取り扱う。カワサキフリーダムナナ八王子本店では、最近ITALJET(イタルジェット)やQJMOTOR(キュージェーモーター)といったメーカーも始めている。皆、個性的なモーターサイクルブランドとあって、店内に入ると、ワクワクするようなショールームスペースが広がる。この記事を読んで下さった求職者の方へ「カワサキフリーダムナナ」の魅力をお伝えするには、その長い社史から紹介していくこととする。そこで代表取締役の長尾 和彦さんにカワサキフリーダムナナというバイクショップについてお話を伺わせてもらった。
長尾代表:私は高校生の頃からバイクに乗り始めました。もう最初からバイクの楽しさに惹き寄せられてしまい、そのせいか大学進学を目指していたのですが失敗してしまいました。丁度、その頃お世話になっていたバイクショップの計らいにより、18歳でそのショップに入社。そこで11年間の修業を積んだ後、(当時)自動車関係の会社に勤めていた弟を誘って29歳の時に独立して、カワサキフリーダムナナを立ち上げました。それが今から35年前となる1990年1月15日の成人式の日のことです。
1994年には会社を拡張した他、10周年目を迎えた2000年には初の支店となる多摩店をオープンしました。その際、当時のBuell(ビューエル)の取り扱いも行い、それが切っ掛けとなって一時期はハーレーダビッドソンの正規ディーラーにもなりました。2015年にはカワサキフリーダムナナ東村山店をオープン。その後も店舗リニューアルや取り扱いブランドを増やしながら今に至ります。
カワサキフリーダムナナの大きな特徴は、スタッフの皆がバイクのことを本当に好きで、自分たちも楽しんでいることが挙げられると思います。サーキット走行、オフロード走行、ライディングスクールにツーリング、キャンプなど、ほぼ毎週のようにイベントを組んでいるのですが、それも自分たちがバイクに乗りながら、お客様と一緒になって楽しみたいということの他にありません。半分は仕事ですが、もしかすると半分以上、自分たちの遊びだとも考えています。そんなように自分たちもバイクライフを楽しみたいという取り組みが、お客様に共感頂き、また支持頂いているのだと思っています。
長尾代表:今でこそ”コト売り”という言葉が浸透していますが、世間がそのようなことを言い始めるかなりの前からカワサキフリーダムナナでは、このスタイルを長く続けてきました。現在のスタッフは八王子本店と東村山に在籍するスタッフが丁度5名ずつで、その他スポットのアルバイトも数名ほどいます。現状では仕事を回せていますが、最近は修理や整備に困っているユーザーがとても増えてきていて、そんなユーザーをケアするにもスタッフを増やして、整備強化させたいと思っています。
バイク好きが高じて、この業界に入った私が言うのですから間違いありませんが、バイクが好きならばきっとうちで楽しく働いて頂けると思います。(笑)
カワサキフリーダムナナの専務取締役で、東村山店を取りまとめている長尾専務。ショップとお客様との距離を縮めることに努め、気軽に立ち寄れる雰囲気作りを大事にしている
カワサキフリーダムナナを語る上で、もう一人のキーマンのお話しを紹介したいと思う。お話を聞かせて頂いたのは、東村山を統括する長尾専務だ。ショップの創業時より、兄であり代表である和彦さんと二人三脚でカワサキフリーダムナナを支えてきた人物である。
長尾専務:もともと私もバイクが好きだったこともあり、兄からバイクショップを立ち上げるという話を聞いた時はすぐに賛同しました。それ以来、カワサキフリーダムナナでは、自分が乗って楽しいと思えることをユーザーに伝えて、それを共感しながら一緒に楽しむということに使命感を抱いて、今日まで歩んできました。カワサキにもKTMにも、その他の取り扱いメーカーにも個性的なモデルが多くどれも魅力的です。その魅力溢れるバイクたちをお客様に選んでもらい、さらに所有した後のバイクライフをサポートする。これがカワサキフリーダムナナの使命だと思っています。
長尾専務:私自身、KTMのワンメイクレースであるKTM390カップに参戦しており、その練習のために筑波サーキットにも通っているのですが、それにはお客様も同行して一緒になって楽しんでいます。オフロードに強いスタッフも在籍しており、JNCC(全日本クロスカントリー)やオフロード入門者でも楽しめるWEXなどのレースにも参加しています。スタッフとお客様が共にバイクを楽しむことができるショップであることは、どちらの立場においてもメリットがあることだと考えています。新しく当社スタッフとして入って頂く方にも、ぜひとも一緒にバイクライフを楽しんで頂きたいと思います。
バイクショップに限った話ではないが、会社を長く経営することはとても大変なことである。その時代のニーズに合わせつつ、お客様に対応していかなければならない。カワサキフリーダムナナの場合は、お客様と一緒になってバイクがある人生を楽しむという考え方がしっかりしているのが伝わってきた。同店ではNPO法人のモーターサイクルCS2グループにも属しており、他店との繋がりも強いのも特徴だ。単店のバイクショップでは実施が難しい大型イベントもこなされている。大変な分だけ、お客様の満足度も高く、バイクの楽しみを提供することができている。
東京都八王子市長沼においてカワサキ車両を取り扱うことからスタートしたカワサキフリーダムナナ。八王子市大塚に初の支店となる多摩店をオープンさせた他、その後は、多摩センターに移転してハーレーダビッドソンやビューエルの正規取扱店を手掛けてきた。2015年にハーレーダビッドソンディーラーを辞めた同年、現在のカワサキフリーダムナナ東村山店をオープンしている。
カワサキフリーダムナナ八王子本店では今年からQJMOTORの取り扱いを始めた。その他ITALJETのDRAGSTER(ドラッグスター)の販売も行い、お客様に幅広い選択肢を提供している。そしてカワサキフリーダムナナ東村山店では、KTMを中心として、カワサキやMUTT、サーロンといったメーカーの取り扱いを行う。グループ店でありながらも、それぞれ個性がある品揃えで面白い。どちらの店舗のスタッフになっても、楽しいバイクライフを送りながら、充実した仕事に就くことができるであろう。
カワサキフリーダムナナ八王子本店のスタッフとしてお話しをお聞きした秀隆さん(2015年10月入社)。カワサキフリーダムナナ八王子本店の長尾代表のご子息である。
生まれた家がバイクショップだった秀隆さん。バイクが身近にある環境で育ち、他業界での社会人経験を経てカワサキフリーダムナナ八王子本店のスタッフになった。これまでのバイクとの付き合い方から、家業として身近にあったからこそ感じる同店の特徴やどのような人が新しいスタッフとして向いているのかなど、お話しを伺った。
秀隆さん:子どもの頃から生まれ育った環境の影響は強く感じており、3~4歳からモトクロスに出走し、16歳になってすぐにバイクの免許を取得しました。その後、学生時代からカワサキフリーダムナナのツーリングに参加していたこともあり、自ずとお客様の顔も覚えるようになってました。(笑)整備士学校に進学し、整備資格を取得。卒業後は大手自動車ディーラーに3年程勤めた後にカワサキフリーダムナナへ入社しました。
秀隆さん:自身がバイクが大好きなので、レースもツーリングも楽しんでいます。うちには、そのようなスタッフたちがバイクを楽しむ環境が整っていると思います。一方では、お客様を楽しませて喜んでもらうためには、どうすれば良いかということを常に考えていなければなりません。もし、スタッフに応募して頂けるのであれば“バイクが好きである”ことを前提にしつつも、そのバイクを使って、まずは自分自身が走ることやカスタム、メンテナンスなどでも良いので、どうすれば楽しめるのかを考えられるような性格の方だと、きっとうち(カワサキフリーダムナナ八王子本店)で上手く馴染めていけると思います。何事もそうですが、はたから見ている世界と実際にやってみるのには、ギャップがあるものです。なので、まずはチャレンジして欲しいと思います。
カワサキフリーダムナナ東村山店に入社して丸二年が経った有馬さん(2023年3月入社)。大学ではバイクとは無縁と言える学科だったが、子どもの頃から興味のあったバイク業界に飛び込んだ。
大学卒業後、新卒採用でカワサキフリーダムナナ東村山店に入社されたという有馬さん。ネット検索でバイクショップを探して、その中から“ピン”ときた同店に電話し、雇って欲しいと直談判。有馬さんの物語は、そこからスタートした。
有馬さん:出身は青森県で、大学進学して東京に出てきました。大学では経済学を専攻しており、いよいよ就職活動をしなければならない時期に入った際に、子どもの頃から興味のあったバイク関係の仕事に就こうと考えたのです。学生時代に住んでいた立川から通えるエリアにあるバイクショップを探して、その中で見つけたのがカワサキフリーダムナナ東村山店でした。すぐに電話をかけて、面接を行ってもらいました。そもそも、免許がない状態でしたが同店に入社することができ、試用期間中に教習所に通って取得しました。
有馬さん:もちろんメカニックとしての知識や経験は無かったのですが、仕事をしながら学校に通わせてもらい、(先日)3級整備士の資格を無事取得したところです。入社する前のバイクショップのイメージは“ちょっと気難しいところもあるかも”と思っていましたが、実際に入ってみるとうちの場合は、そのようなことは無くて、むしろ初日からみんな笑顔で接してくれたので、すぐに馴染めました。(笑)入社から3年目を迎え、仕事の流れなども分かってきたので、将来的にはもっとメンテナンスのスキルを高め、2級整備士の資格を取りたいと思っています。
JOBIKE編集部より
私が「カワサキフリーダムナナ」という名前を最初に耳にしたのは、90年代から2000年代初頭にかけてだったと思う。当時、人気だったカワサキ逆輸入車を取り扱っていたことがきっかけで、その名を知り、その後は私が当時のハーレーダビッドソンジャパンのビューエル担当スタッフに良くしてもらっていたこともあり、ビューエルやハーレーのイベント等でいつもカワサキフリーダムナナの名を耳にしていた。次第にKTMのイベントでも良く見かけるようになった。KTM390カップでカワサキフリーダムナナの選手がいつも上位にランキングされていたり、エンデューロなどオフロードレースでも目立つ存在として記憶していった。
日本全国に多くのバイクショップが存在する中、いつもどこかで見かける耳にするショップであるということは実は凄いことであると思う。それだけカワサキフリーダムナナが時代の流れに合った、否、先取りをされてきた証なのだと感心させられる。これまでのショップ経緯や実績、それを可能にしてきた会社としての姿勢は、身を置くスタッフも刺激的であり、そして安心ができるものだと感じている。お話を伺ったカワサキフリーダムナナ東村山店のメカニックの有馬さんは、二輪の運転免許が無い状況から新卒採用で入社。整備士資格を取得する際には会社からのサポートも受けて成長された。先だって、ご結婚されたとのこと。
バイクとしっかりと向き合うことができて、安定した就労環境が整備されているからこそ、未経験であっても将来設計ができるのである。カワサキフリーダムナナは、今後もお客様と一緒にバイクライフを楽しみながら、バイク業界でその存在感を放っていくことだろう。そして貴方もその一員として活躍できるチャンスがここにある。興味を持ったら、まずはチャレンジして欲しいと思った。
JOBIKE編集部より
カワサキフリーダムナナ 八王子本店/東村山店
〒192-0907
東京都八王子市長沼町203-5(東村山店/東村山市富士見町3-28-15)
電話:042-637-8197(東村山店/042-392-8197)
FAX:042-637-3950(東村山店/042-399-0227)
営業時間: 10:00 - 19:00
定休日 : 木曜日・第2第4水曜日
HP : https://freedom7-kw.com/