取材協力:グッドウッド二輪商会 取材:小松男
掲載日:2023/11/29
ハーレーダビッドソン、BMWモトラッド、ドゥカティ、ベスパ、モト・グッツィなど世界有数のプレミアムモーターサイクルブランドの正規ディーラーを幅広く展開している『グッドウッド二輪商会株式会社(以下グッドウッド二輪商会)』。その歴史は40年近くとなり、いつの時代もユーザーを一番大切に考えている。そして一歩先のビジネスを見据えてきたことから、今もオートバイ販売ビジネスの業界を牽引するビッグネームとなっている。
ファウンダーであり、現在も手腕を振るう代表取締役社長の関口敏晴氏。経営者としての魅力はもちろんのこと、プライベートではバイクやクルマを楽しみ、またファッションやオーディオなどにも精通している生粋な趣味人と言える。
今回グッドウッド二輪商会の求人記事の取材をして欲しいとオーダーをもらった時、とても嬉しい気分になった。なぜならば、私は以前BMWモトラッドやドゥカティの二輪専門誌を手掛けていた時期があって、代表の関口氏のことをよく存じ上げているだけでなく、ドゥカティに関してはいちユーザーとしても、大変お世話になったことがあったからである。
その当時の関口代表の印象は大胆に力強く、且つ繊細な視点で物ごとを捉え、そして将来を見据えた行動に移されるというビジネス手腕に驚かされたのを今でも記憶している。他のバイクショップと一線を画している統率の取れた、スマートに対応するスタッフ達という印象だった。油のニオイが漂ってくる、いわゆる昔ながらのバイクショップという雰囲気は感じず、ユーザーのことを思いつつもしっかりとした成長を続けている企業体として機能していることに感心させられていた。創業から約40年という時間は長いものであるし、私が通っていた頃からもすでに20年近く年月が経っている。そんなグッドウッドのこれまでの事、そして今後の展望などを関口代表に訊ねることにした。
関口代表:
「グッドウッド二輪商会の起業のきっかけとなったのは80年代のバイクブームでした。私自身もRZで筑波選手権に参戦するなどしていたのですが、当時のバイク人口は伸び続けており、その様な背景の中、私の地元でもあるこの市川の地に70坪のバイクショップを構えたのが始まりです。
開業時は国産メーカーを扱っていたのですが、丁度その頃にBMWジャパンが設立され、BMWモトラッドを置いてみないかという話をいただいたのです。国産バイク全盛期ではありましたが、他のバイクショップと同じことをしていても面白味が無いですし、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)を市販車として世界で初めて二輪車に採用するなど、機械的な一面からも興味があったメーカーだったのでBMWモトラッドを扱い始めました。
その話が次第に広まってハーレーダビッドソンやドゥカティなど、他の海外ブランドも取り扱えるようになっていきました。'90年代に入りハーレーダビッドソンジャパン設立後のハーレーの勢いは顕著で、メーカーに協力し合う形で大型ディーラーを作っていきました。また教習所での大型自動二輪免許が取得出来るようになったことも、弊社の成長したポイントになったと言えます。
それと我々が扱っているプレミアム・インポートブランドは高価なものですので、ある程度の所得ある方がお客様になります。中には芸能関係者や著名な方もいらっしゃいますので、そのような方々にも満足していただけるサービスを提供していくことで、ショップとして信頼を頂き、着実に企業として、そして一人一人のスタッフとともに成長することができました。
現在スタッフの数は約60名おり、全店舗の車両販売台数は年間で1,200台に至ります。会社の売上規模は30億円となりました。弊社で働くスタッフにはそれらを還元しなければいけないと考えております。また働いてくれているスタッフの社会的地位を引き上げると共により良い環境を整備していくことで、業界全体のベースアップに繋がると思っています。
最近では日本へ来た外国人の採用も行っております。若い人達には、どんどんチャンスを与えたいと思っています。乗り物のテクノロジーは年々進化しています。その時代に乗り遅れることが無く、スタッフ各自にも感性を磨いてもらい、グッドウッド二輪商会がより良い企業になっていかなければならないと考えています。」
グッドウッド二輪商会のウェブサイトにある沿革を拝見すると、その輝かしい歴史を見ることが出来る。それらは関口代表の力はもちろん、グッドウッド二輪商会で身を置く一人一人のスタッフが、努力して成し遂げてきた証として残されているのだ。ユーザーにしてみれば、ハーレーダビッドソン、BMWモトラッド、ドゥカティ等々、同社が扱う車両の全てが憧れのブランドであり、それを所有する喜びとその先にあるプレミアムバイクのライフスタイルをグッドウッド二輪商会は提供し続けてきたと言える。全国的に見てもかなり特別なバイクショップのグッドウッド二輪商会は、関口代表の時代を見る目と、それを信頼し支えるスタッフらによって形成されているのである。
取材をさせて頂いた私はハーレーダビッドソン、BMWモトラッド、ドゥカティ、ベスパ、モト・グッツィという世界最高峰のプレミアムモーターサイクルブランドを扱っているグッドウッド二輪商会は、それらが一つの塊になっているというより、各店舗が上手く平行線上に存在して過去から現在、未来へとお客様と共に歩みんでいるショップと表現するのが正解だと思った。もちろん店舗同士が横の繋がりを持た無いということではないのだが、やはりハーレーダビッドソン店とドゥカティ店に在籍しているのとでは、取り扱うものが違うため実際の環境など異なってくると感じたからだ。同社のいくつかの店舗に足を運ぶことで、私にはそう伝わってきたのである。
一度頭の中をフラットにし、他業種でイメージしてみて欲しい。例えばシャネル、グッチ、プラダなどそれぞれ異なるブランドであるが、どれもファッションの最先端を牽引するリッチなハイブランドである。時計でも良い、ロレックス、ジャガールクルト、パネライ、フランクミュラーとどれもスペシャルなブランドだ。その様なスペシャルなバイクブランドの中でも、トップクラスの正規ディーラーを複数有しているのがグッドウッド二輪商会である。同社に訪れるお客様にとって、ある意味で特別な存在としてグッドウッド二輪商会が位置しているものと思う。ハイブランドを多数有する百貨店のごとくあるグッドウッド二輪商会に在籍するということは、お客様にとって特別な存在のように、働くスタッフにとってもまた特別な存在だと、この取材を通して伝わってきた。一言でこういうショップだと言い表せないのも、グッドウッド二輪商会の懐の深さだと思えた。
枝川文明さん(2017年9月入社)。グッドウッド二輪商会に入社する前は、バンド活動をしていました。只、いつかはどこかの会社へ就職する形で身を置かなければならないと思い、地元を中心に求人情報を集めた中の一つにあったのが、グッドウッド二輪商会でした。
グッドウッド二輪商会は、現在9拠点に渡りショップ展開している。今回、モトラッド京葉、ドゥカティ松戸、ハーレーダビッドソンメガ松戸の3拠点で働く3名のスタッフからお話を伺うことが出来た。グッドウッド二輪商会に身を置くことによって社員として得られるメリット、実際に働いて感じられたことなどリアルに聞き出すことにした。
枝川さん:
バイクのことは全く知りませんでした。そんなものですから、もちろんバイクの免許を持っていませんでした。しかし、そのおかげで見るモノ、触れるモノの全てが新鮮であり、楽しく学ぶことが出来ました。
同店で取り扱っている車両はBMWモトラッドなので、今でこそ普通自動二輪免許で乗れる中型モデルもありますが、BMWモトラッドは基本的に大型モデルばかりで、最初はセンタースタンドの上げ下げも苦労したことを覚えています。半年間ほどの研修期間を経て、正社員採用となる頃にはバイクにも慣れ、そして晴れて大型自動二輪免許を取得することも出来ました。職場で助かったことと言えば、先輩スタッフ達が仕事を細かく丁寧に教えてくれることで、バイクに触れるのも初めてだった私でも馴染みやすい環境だったということです。
もちろん、バイク好きで普段からもバイクに慣れ親しんでいる人の方が向いているようにも思いますが、私のようにバイク未経験者(免許が無くても)でも、働くことは問題無いと思います。私は同社に入って6年間が経ちますが、現在はチーフポストを与えてもらっています。バイクのことを知らない、でも快活な性格と好奇心を持って仕事に取り組めれば、ステップアップも出来ると思います。
森健祐さん(2021年6月入社)。以前は自営業だったのですが、新型コロナウイルスの影響で仕事が減ってしまい、生活のことを考え転職しました。元々グッドウッド二輪商会でバイク購入していたお客だったこともあり、また自分でも簡単なカスタムを楽しんでいたということで、アルバイトの身として置かせてもらうことになったのが切っ掛けでした。
森さん:
どちらかというと接客よりも整備の方をやりたかったので、メカニックスタッフとして雇用してもらいました。もちろん、プロの現場ですので初めてのことばかりでした。それに想像していた以上に忙しいことにも驚きましたが、そんな中でも実技をしながら知識を高め集中することが出来ました。アルバイトから半年ほどで正社員になれました。それからメカニックとして仕事をこなしながら勉強をして、3級整備士免許も取得することが出来ました。
現在、一緒に働いているメカニックスタッフは3名で30~40歳代、色々と教えてもらえるので働きやすい環境と言えます。給与面は業界内でも良い方だと思います。今年から希望休日が1日増えたので、プライベートな時間も充実しています。バイク業界や整備など未経験者でも、実際に働き始めることで、色々覚えることが出来て問題は無いです。せっかくですから、長く一緒に働きたいと思っている方に来てもらえると嬉しいですね。
鳥垣中志さん(2016年4月入社)。16歳で免許を取得してバイクには乗っていました。趣味のバイクライフの最後は、やはりハーレーダビッドソンだと思い東京工科のハーレーダビッドソン科に進学。その後に新卒でグッドウッド二輪商会へ入社しました。
鳥垣さん:
ハーレーディーラーは色々とありますが、地元を離れたかったことと、やはり多数の車両を取り扱っているメガディーラーに惹かれて、ハーレーダビッドソン メガ松戸に応募しました。バイク整備というのは、もっと職人気質の強い世界だと思っていたのですが、実際に働いてみると職場は綺麗で清潔感があり、またお客様の接客もしなければなりません。良い意味で正規ディーラーという、ちゃんとした環境でした。社員寮も1年弱利用して生活基盤を作ることが出来たことも、入社当時はとても助かりました。
6年間ほど在籍した後、家庭の事情で半年間ほど別の職種に転職した時期がありました。そこでの仕事は出張で全国に飛び回るような、バイクのメカニックとは全く違う世界でした。しかし、やはり自分には向いていないと思ってしまい、再びグッドウッド二輪商会へ戻ってきました。メカニックといえども、何よりもお客様のことを第一に考えて働けないと駄目だと思います。そうすることでより良い作業が出来、その結果としてお客様から“ありがとう”と感謝されるような皆が幸せになる好循環が生まれると思っています。私のこれからの目標は工場全体の管理です。皆で力を合わせて、もっとお店をより良くしていきたいですね。
JOBIKE編集部より
先述したが、私はグッドウッド二輪商会に以前からのご縁がある。だからと言ってフィルターを掛けること無く、今回の取材を行わせてもらった。そして関口代表の言葉やスタッフのインタビューから素敵な職場環境であると思えた。また取材時には古くから存じ上げているベテランスタッフの顔も見られた。昔と変わらず今もご活躍しているのが、その様子から伝わってきた。長く働くことができる、長く働いていたい職場であると感じられた。
そして取材から今後は整備面でも、より一層力を入れてきそうだということが感じられた。40年近くもの歴史を持つグッドウッド二輪商会には、最新テクノロジーを装備する車両からキャブレター車まで整備車両として持ち込まれてくる。オートバイ販売ビジネスで業績が厳しくなり、閉業に追い込まれてしまったバイクショップのユーザー車両も、何れ対応していく時代が来るのかもしれない。私はそのようなことを(関口代表が)思っているかもしれないと思った。幸いにしてグッドウッド二輪商会は、整備工場にもエアコン完備しており、四輪車(クルマ)よりもスペースを取らず、尚且つ車体の下にもぐるような作業が無いために事故リスク、身体的な疲労も少ないと思う。整備士を目指す人が減ってきていると言われる昨今であるが、むしろ今がチャンスだと思える。未経験者であってもグッドウッド二輪商会のような企業に身を置きながら、仕事を覚えて整備士資格を取得するというのもひとつの選択となってくるに違いない。
同社は社員寮を完備し(月額1万円!)、年間休日は115日、残業手当も付き、年一ペースで昇給もある。さらに賞与は年に3回。グッドウッド二輪商会は、バイクショップとは思えないほどの待遇を用意して新しいスタッフを迎え入れる環境を持っている。
JOBIKE編集部より
グッドウッド二輪商会
〒272₋0105
千葉県市川市関ヶ島16-8
電話:047-307-8728
営業時間: 火~土 10:00~19:00
日祝日 10:00~18:00
定休日 : 毎週月曜日・第2・第3火曜日
HP : https://www.goodwood.co.jp/
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