取材協力:株式会社神山モータース 取材:小松男
掲載日:2024/09/20
九州の中心に位置する熊本県において創業から62年もの長きにわたりバイクライフを支えてきた老舗バイクショップ『神山モータース』。国内4大メーカーの取り扱いをはじめハーレーダビッドソンなど海外プレミアムブランドも手掛けている。
丁寧かつ充実したサービスも定評があり、熊本県下のみならず、遠方からの来客も後を絶たない。
そんな神山モータースの魅力は取り扱うバイクのレパートリーの豊富さに合わせ、そこに在籍するスタッフの人柄から成り立っているのだ。
『神山モータース』は今から62年前の1962年に熊本県熊本市の京町で創業した。当時はまだバイクマーケットは黎明期と言えるような頃のことで、九州の中心に位置する熊本においていち早く名乗りを上げたバイクショップのひとつであった。
その後80年代に入ると今の本店がある熊本市北区に移転、そこを新たな拠点としつつハーレーダビッドソンやBMWモトラッドなどプレミアムインポートブランドの正規ディーラーを運営しつつ成長を続け、2021年にはカワサキプラザ熊本をオープン。現在はコウヤマモータース、ハーレーダビッドソン熊本、ハーレーダビッドソンレカード、カワサキプラザ熊本の4店舗を展開。原付スクーターからビッグバイクまで取り揃える九州最大級のバイクショップグループとなっている。
この記事を読む方のほとんどは60年という時間の流れを想像することが難しいと思うが、一企業が立ち上がり、継続することを考えると気の遠くなるような年月なのである。その間、バイクの性能というのは飛躍的に向上し、社会も大きく変化を遂げた。昭和のバイクブームや平成のリーマンショック、さらに令和の新型コロナウイルス問題など様々な時代を乗り越えてきた神山モータースはどのような会社なのかを紐解いていきたいと思う。
神山モータースグループの代表取締役社長を務める神山宗一郎氏。熊本のバイク業界を牽引してきた立役者の一人である。今回は色々なお話を伺った。
現在4店舗で構成される神山モータースグループのトップを務められている神山宗一郎氏にお会いし、同社から見たバイク業界の動向や現状、その上でどのようなビジネス戦略を考えられているのかなどを訊ねることで、スタッフとして在籍することの魅力やメリットなどを探ることにした。
神山代表:「神山モータースは長い歴史を持っていますが、現在は国内4大メーカーを中心に原付から大型バイクまで取り揃えている本店、ハーレーダビッドソンディーラーを2拠点、カワサキの大型モデルも手掛けているカワサキプラザ店の4店舗を展開しております。
ハーレーダビッドソンレカードだけは場所が離れているものの、コウヤマモータース、ハーレーダビッドソン熊本、カワサキプラザプラザ熊本は3店舗が横並びとなっていることで、この場所に訪れたお客様に隣の店舗に足を踏み入れていただけるなど、相乗効果を生み出せていると感じています。
長年ハーレーダビッドソンのディーラーをやってきたこともあり、神山モータースはハーレーのイメージを持たれていることが多いのですが、本店を覗いてもらい「原付スクーターも取り扱っているんだ」と話すお客様もいらっしゃいます。
各店舗に在籍するスタッフは現状でそれぞれ5~7名ほど。平均年齢は30歳代中盤となっており、今後増員することでさらに働きやすい環境の整備、顧客満足度の向上を図っていきたいと考えています。
中には他業種から転職してくるスタッフもおり、例えば元々飲食店の調理場を担当していたのが、神山モータースに入社後整備資格を取得。現在はメカニックで活躍してくれているスタッフもいます。未経験者であってもバイクのことが好きであれば、心配しないで飛び込んで欲しいと考えています。入社後3ヵ月の試用期間を設けており、その後どの店舗に在籍するかを決めております。
現在は店舗の休業日を週2日設定しており、そのうち月2日を作業集中日としています。これは効率よく作業を進めることを目指したスケジューリングであり、実際にお客様もスタッフにもメリットが生まれていると好評です。
神山モータースグループとしての今後の展開は、年内に南区のハーレーダビッドソンレカードに認定中古車専門店をオープンするということが一つ、そしてコウヤマモータースではロイヤルエンフィールドの取り扱いをスタートします。
お客様に喜んでもらいながら新しいことにチャレンジする。これにより働くことで喜びを得られる環境を作り上げていきたいと思います。
即戦力として活躍してもらえる方はもちろん、未経験者であっても先輩スタッフたちに教わりながら働いてもらえますので、バイクショップに興味を持っている方は是非飛び込んできて欲しいと考えています。」
神山代表のお話しからはバイクそのものだけでなく、スタッフが働く環境を整えることにより、お客様にも気持ちよくバイクライフを楽しんでもらえているということが伝わってきた。
さらにこれまでの成長だけでなく新しいことにもチャレンジしつつ今後のビジョンなどもしっかりと考えられていることから、神山モータースグループのさらなる発展を窺い知ることができ、それは傍から見ても期待できるものであった。
今回の取材ではコウヤマモータース、ハーレーダビッドソン熊本、カワサキプラザ熊本の3店舗に伺った。並びに建っていることもありユーザーとしても利便性は高い。
興味深いのは同一グループでありながらもどれも趣向の異なる個性あるショップだということ。ここではそれぞれの特徴を踏まえながら3店を紹介していこう。
実際に働いているスタッフの話を聞くことで、職場環境の内側を知ることができると思っている。ここでは神山モータースグループのスタッフ2名から伺った、仕事内容や職場の雰囲気などをお伝えしていこう。
ハーレーダビッドソン熊本の店長を務める野々原さん。新卒で入社後20年以上神山モータースグループに在籍している。
野々原さん:「私は高校で工業科を専攻し2003年に新卒で入社しました。まずはメカニックスタッフとして働いた後フロントサービスを行い、現在は店長を務めています。
そもそもハーレーダビッドソンは他のバイクブランドと比べて、高級であり特殊な存在です。お客様の層も他のバイクメーカーとは違います。そのようなお客様と接することは自分自身がレベルアップできる環境だと思っています。
逆に言えばプレッシャーも大きいのですが、一つひとつ丁寧な作業を行うことでお客様からの信頼を得ることができますし、満足してもらえれば、仕事をする活力にもなるはずです。
お客様は年々増えていますし、神山モータースで展開しているハーレーダビッドソン熊本、ハーレーダビッドソンレカードのサービスを喜んでいただいている方は、さらに口コミで人を呼び寄せてくれます。そういった面でも仕事のやりがいはあり過ぎるほどです。」
「整備技術には自信があります」とハーレーダビッドソン熊本の野々村店長は話す。同社にカスタムをオーダーするため遠方からの来客も絶えない。
職場環境も年々良くなり休日も増えましたし、以前と比べて働きやすくなっています。だから未経験者でも安心して働いてもらえると思います。
ハーレーダビッドソンの正規ディーラーとしてはかなりカスタム技術も高いと自負しておりますし、仕上げにもこだわってきました。もし神山モータースのハーレーダビッドソンスタッフとして私たちと共に働いてもらえるようになったら、自信を持って勤めてほしいですね。」
コウヤマモーターススタッフの神山千晶さんは他業種から転職され、入社後に大型バイクの免許を取得したそうだ。
神山さん:「私は神山モータース代表の娘なのですが、8年働いていた保険の会社を辞めて昨年10月に入社しました。子どもの頃から父のバイクの後ろに乗せられていたこともあり、バイクに接すること自体には抵抗は無かったのですが、バイクに対して深い関心があったわけでもなかったので、むしろ現在でも日々バイクの勉強をしているような状況です。
実際にバイクショップで働いてみると、バイクの世界と言うのは趣味趣向が強く、お客様にもバイクに詳しい方が大勢います。なのでお客様が求められている気持ちに、なるべく共感することができるように努めています。そうすることで自分自身の知識も増やせますし、実績にも繋がっていると思います。
以前の仕事が電話応対のみだったのに対して、バイクショップでは対面でお話しすることが基本です。対面でお互いの気持ちを伝えあいやすいことは仕事がしやすいですし、やりがいもあります。
色々な仕事があるのでオールマイティーなキャラクターの方に向いているとは思いますが、右も左も分からない状態から働き始めても、きっと楽しいと思いますよ。」
前職では電話応対のみだったという神山千晶さんは、現在の仕事は対面でお客様と接することができるので、気持ちを伝えやすいと話してくれた。
神山モータースのベテランと入社後1年未満というフレッシュスタッフからお話しを伺って分かったことは、お客様を大切にしていることはもちろん、スタッフ同士のコミュニケーションもしっかりととれているということだ。
お互いにサポートし合いながら作業を進めることができているので、その結果、円滑な職場環境となっており、ミスなどもカバーできているように思える。
その延長線上にはお客様という存在があり、その人々に満足してもらえているのである。
JOBIKE編集部より
神山モータースグループの取材をさせていただいた上で、とても働きやすそうな環境だと思った。それはまず取り扱うバイクのレンジが広いことから「バイクが欲しい」という客足が絶えない。つまり武器となる商材が豊富であるということだ。暇な職場程辛いものはなく、常にやるべきことがあるという職場はやりがいがあり、その先には自身のスキルアップということが見込める。
待遇面に関しても、給与は一般的なバイクショップと比べて良い方だと思えるし、ほぼ週休2日に近い、整備工場は冷暖房完備となっているなど、総じて働きやすい環境が整えられている。
九州の中心に位置していること、さらにツーリングのメッカである阿蘇の麓ということなどから、今後のより一層バイクマーケットの発展も見込める上に、ロイヤルエンフィールドの取り扱いや、ハーレーダビッドソンの認定中古車専門店のオープンなど、将来的な展望を見ても安心感があると言える。
そうそう。私は年に数度仕事で熊本に足を運んでいるのだが、TSMCの工場ができてから人の往来は一気に増えていると肌で感じている。そんな熊本の地にある神山モータースグループで働くことはキャリアアップだけでなく今後の人生を見据えてもメリットがあるものだと考えているがいかがなものだろうか。
JOBIKE編集部より
株式会社神山モータース
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