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整備力の高さで絶版車ユーザーから信頼を集める「モトジョイ」
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昭和のエンジニアが作った
バイクを維持していく誇るべき仕事

取材協力:モトジョイ 取材:栗田 晃

掲載日:2022/3/1

オーヴァーレーシングプロジェクツの一部門として、絶版車の販売や整備を行っているのがモトジョイである。マフラーやステップ、スイングアームなどのカスタムパーツの開発と量産を行うオーヴァーレーシングに対して、製造から何十年を経た絶版車を取り扱うモトジョイでは1台ごとにコンディションが異なる車両に向き合っている。完調を目指して根気強く整備に取り組むメカニックに求められるスキルや人物観について、モトジョイ会長である佐藤健正氏と現役スタッフのインタビューをお届けしよう。

モトジョイとは

マニュアル通りにいかない厳しい中にも成長できる職場
99の苦労の末に得られる一つの達成感が
メカニックを大きく成長させる糧となる

  • 見た目がどれだけきれいであっても、製造から長い期間を経た絶版車のコンディションは千差万別。モトジョイのショールームに並ぶ車両はメカニックの厳しいチェックを経たものばかり。この状態に仕上げるまでがメカニックの腕の見せ所だ。

  • 唯一無二の空冷6気筒エンジンを搭載したホンダCBX。モトジョイはメンテナンス、カスタムの両面でCBXを積極的に取り扱っており、他店で購入したオーナーも同店ならではの「とことん整備」を受けるために訪れることが多い。

  • ウィークポイントやオーバーホール時の交換必須部品も熟知しているのがモトジョイのメカニック。誰もが最初から扱えるわけではないが、先輩メカニックの指導のもとで経験を積みユーザーに喜んで貰えるエンジンを仕上げられるようになる。

  • オーヴァーレーシングプロジェクツ会長の佐藤健正さん。時代に応じて製作するレーシングマシンとともに、旧車に対する造詣の深さを生かした車両製作も得意とする。自らが技術とアイデアを駆使したモノ作りを実践してきただけに、絶版車のメカニックにも自ら考える力を期待する。

―――カワサキZ1やホンダCB750フォア、2ストロークのマッハシリーズや6気筒エンジンのホンダCBXなど、日本製バイクの性能が世界的に認められるようになった1970年代から80年代にかけての絶版車の人気が止まらない。三重県鈴鹿市のモトジョイはそうした絶版車を独自のルートで仕入れ、徹底した整備を行い販売する人気の絶版車ショップである。また販売だけでなく、自社販売車両以外を含む絶版車を対象とした「とことん整備」も好評な同店。まずはオーヴァーレーシングプロジェクツ、モトジョイの佐藤健正会長にモトジョイ設立の経緯や、ここで働くメカニックに求められる資質などを伺った。


モトジョイ代表 佐藤健正さん: 私が1982年にオーヴァーレーシングプロジェクツを創業した時、自社で製造したオリジナルフレームを持つバイクを製作するというビジョンを持っていました。そしてこれまでレース用や市販用として40機種以上のオリジナルフレームを開発してきました。しかしレース界ではコンストラクター製フレームが活躍できる場が徐々に縮小され、オーヴァーレーシングのパーツもマスプロ化していきました。企業としてはそれが進むべき道だと思いますが、私は生来“モノ作り”をやりたいと思い続けており、それを実現する手段として絶版車のレストアや整備を取り扱うモトジョイをオープンしました。
 ワンオフフレームによるオリジナルバイク開発と絶版車の整備では仕事の内容が異なると思われるかも知れませんが、絶版車の整備は現行車のそれとはまったく次元が違います。製造から半世紀も経過した絶版車を整備するのは、1台のバイクを新たに製作するのと同じような手間と労力がかかります。フレームもエンジンもサビや破損は当たり前で、一つとして同じ状態のものはありません。
 千差万別のコンディションに対応するため、不調や不具合があれば第一に原因追及を行いますが、複合的な症状が重なっていることもあるためサービスマニュアル通りに進むことの方が稀です。絶版車人気のおかげで、当社にも多くのライダーから販売車両や整備の問い合わせをいただいています。そのためメカニックも忙しく働いていますが、症状を正確に見極めて適切な整備を行わなければ、バイクの状態は良くなりません。
 絶版車に向き合うメカニックに必要な資質とは“素直さ”“忍耐力”“考える力”だと思います。もちろん技術力も必要ですが、それは先輩メカニックのサポートをする中で徐々に身に付いていくものです。それよりもこれらの3条件を備えて素直にコツコツ仕事をしていくことが、一筋縄ではいなかい絶版車メカニックにとっては重要だと私は考えています。スキャンツールを繋げば不調箇所がモニターに表示される現代のバイクと違って、絶版車は経験を積んだメカニックにとっても苦労の連続です。経験が少なければ失敗することもありますが、失敗を解決することでメカニックとしての引き出しがどんどん増えていきます。99の苦労の末に1つの成果を得ることが絶版車ユーザーにとって大きな喜びとなることを我々は知っており、これをやり遂げた時の達成感や満足感がメカニックを成長させる原動力になると信じています。
 昭和時代の絶版車は日本が世界に誇れる大きな財産ですが、メカニックの力なくしては後世に伝えることはできません。そう考えると、絶版車をレストア、整備、維持できるメカニックは今後いっそうクローズアップされる存在になると思います。



【編集部まとめ】
簡単に行かないことも多いのは絶版車の整備も人生も同じ。インタビュー中に佐藤会長が口にした言葉は実に的を射ていると思う。原因追及も実際の整備作業も一筋縄ではいかないから、粘り強さや諦めない心が求められ、投げ出さず試行錯誤することで成功への道が開けてくる。モトジョイにはそうしたメカニックを育ててくれる風土があると感じた。

スタッフインタビュー

得意とする絶版車の整備で
お客様に満足頂けた時が最高

バイクのカスタムや絶版車が好きで、自分でバイクショップを開業するのが夢だったという米倉さん。さまざまな経験を積んでモトジョイに入社しチーフメカニックとなった今、社員メカニックとして働く利点を強く実感しているそうだ。

米倉孝浩さん(入社8年目):サーキットが身近な鈴鹿で生まれ育ち、先輩に整備士やメカニックが多かったこともあって専門学校で整備士の資格を取得しました。早くから自営で仕事をしたいという思いが強かったので、最初は半ば押しかけのようにバイクのカスタムショップで働き、絶版車の整備やカスタムの技術を身につけました。その過程で全日本ロードレースのメカニックも経験しています。
 縁があってオーヴァーレーシングプロジェクツの他店で仕事をするようになってからも、モトジョイに対して特別な思いはなかったのですが、8年前に手伝って欲しいと言われて異動したのがモトジョイに加入したきっかけです。
 それまでの経験もあって、メカニックとしての自尊心、カワサキZ系のメンテナンスやカスタムに関する自負心もありますが、ここではまず第一に目の前のお客様に満足いただける仕事をしようと心がけています。弊社の経営理念「楽しく、カッコ良く、そして安全に」という基本を守れば自由に仕事ができますし、その線から軌道がずれたら明確に指摘してもらえるのでとても働きやすい職場です。以前は独立志向が強かったですが、社員メカニックであることで常に目の前の1台に全力で向き合うことができるのは、私にとって大きなメリットになっています。
 自分が整備した絶版車にお客様が喜んでくれる=モトジョイのバイクの評判が高まるのは嬉しいことです。誰もが最初から整備ができるわけではありませんし、私自身にも失敗やうまくいかないことはあります。しかしモトジョイが整備した絶版車として仕上げる以上、私たちが必要とするレベルまで指導、アドバイスをしていくので、これまでの経験値や実績はそれほど気にすることはないと思います。それよりも、絶版車のメカニックとして成長したいという気持ちの方が重要です。

  • メンテナンスもカスタムも、自らの技術とモトジョイの看板に恥じない仕事をするよう心がけているという米倉さん。

  • モトジョイとオーヴァーレーシングが鈴鹿ツインサーキットで開催するサーキット走行会「アストライド」では自ら製作した250ccレーサーで先導を行う。

先輩メカニックのサポートを経て
責任ある仕事を任せられる喜び

整備士専門学校卒業後、初めての就職先としてモトジョイに入社した清輔さん。それこそ右も左も分からない絶版車整備の日々を先輩メカニックに指導を受けながら無我夢中で走り続けてきた。そんな清輔さんが感じる仕事のやりがいとは。

清輔星司さん(入社8年目):元々新車には興味がなく空冷の絶版車やレースが好きで、整備の専門学校に通い整備士の資格を取得しました。就職先を探すにあたり新車ディーラーより旧車系のショップで働きたいと考えていた時に紹介されたのがモトジョイです。高校時代からバイクに乗っていたのでオーヴァーレーシングのブランドは知っていましたがモトジョイのことは知らず、会社訪問で生まれて初めてCBXを見て、作業台の上でバラバラになっているエンジンを見た時には「この環境で働くのは自分には無理だ」と感じました。
 しかしメーカー系のディーラーや街中のバイクショップでこんな絶版車に触れる機会はないだろうし、鈴鹿サーキットが近いこともあり、チャレンジするつもりで入社。整備士の資格はあるものの絶版車整備とは要領がまったく異なることもあり、最初のうちはサンドブラストやバフ掛けや車検場の往復など、はっきり言ってサポート仕事ばかりでした。メカニックのつもりで入社したのにこうした仕事が続くのは決して面白いことではありませんが、この頃プライベートでCB750Fを購入したため、仕事で覚えたことを自分のバイクの整備やカスタムに役立てられることがモチベーションとなっていました。
 仕事を覚えてお客様のバイクの整備やエンジンオーバーホールを行うようになると、また新たな壁となりましたが、自分が仕上げたバイクに満足して頂けた時には達成感を味わうことができます。同時に成果を上げることで会社からも評価してもらえるので、さらにレベルの高い仕事をしようという意欲にもつながっています。整備の一環でさまざまな絶版車を試乗したり、アストライド(モトジョイとオーヴァーレーシングが共催するサーキット走行会)で歴史的なレーシングマシンに乗ることができるのも、モトジョイならではだと思います。

  • 専門学校時代は雑誌でしか見たことのなかった絶版車を整備する清輔さん。オーナーに喜んで貰えた時にやりがいを感じるそうだ。

  • アストライドはお客さんが所有する貴重なレーサーを走行させることも。これもモトジョイメカニックとしての醍醐味だ。

機械加工主任として
OVER-classics商品の製造を担当

大学卒業後マフラーメーカーに就職、バイクメーカーの純正マフラーの試作開発を行った後、オーヴァーレーシングで4輪マフラー製造、その後自らの工場でパーツ製作を行っていた西村さん。現在はモトジョイの社員としてオリジナルパーツの製造を行っている。

西村直人さん(入社6年目):私はもの作りに興味があり、大学で機械工学を学んだ後にメーカー純正マフラーを製造するメーカーに就職しました。配属されたのは試作課でしたが、ちょうどCADが一般に導入され始めた時期で、図面から試作製品製作の工程を学ぶことができました。オーヴァーレーシングを経て2004年から自らのブランドで4輪用マフラーやパーツの製造販売を行い、この時にかねてから興味のあったマシニングセンターも導入し、パーツ作りに活用しました。
 オーヴァーレーシングでは主に現行車向けのパーツを製造していますが、モトジョイでも絶版車用キャリパーサポートやバックステップなどのオリジナルパーツ(OVER-classic)のラインナップを充実させることになり、2016年にモトジョイに入社しました。
 現在は機械加工や溶接作業など絶版車の整備やカスタムに付随する加工仕事やのOVER-classic商品の製造、webショップの管理をしています。
メカニックとしてバイクに直接触れることはありませんが、絶版車ユーザーに喜んで頂けるパーツ作りができることに喜びを感じています。

  • 自営でパーツ製造販売を行っていた時期に覚えたマシニングセンターの技術が、OVER-classic商品の製造に役立っている。

  • 直接バイクを整備するメカニックという立場ではないが、西村さんが製造するオリジナルパーツもモトジョイの重要な戦力となる。

JOBIKE編集部より

 バイクブーム、レースブームが訪れた1980年代に「オリジナルフレームのバイクでレースがしたい!!」と創業して以来、40年に渡って日本のバイクシーン、カスタムシーンを牽引してきたオーヴァーレーシングプロジェクツ。その一部門として開業したモトジョイは、カスタムパーツを量産するオーヴァーレーシングとは正反対の一品物の仕事を行う。
だが双方のブランドとも「楽しく、カッコ良く、そして安全に」という経営理念は共通しており、モトジョイでは1台ごとにコンディションの異なる絶版車を何より安全に走行できるよう仕上げることにもっとも力を注いでいる。
 「99の苦労の末に得られる1の喜び」「失敗することで得られる学び」などというと前時代的な精神論、根性論を想像するかも知れないが、モトジョイの社風は決してそうではない。簡単に解決しないトラブル、一筋縄ではいかない不調に対して、さまざまな方向から臨み、不具合を解消する達成感を積み重ねることで得られる経験は、絶版車のメカニックだからこそ得られる醍醐味となるはずだ。

JOBIKE編集部より

ショップインフォメーション

モトジョイ

〒513-0836
三重県鈴鹿市国府町7678-5
電話:059-375-1132
営業時間:9:00~18:00
定休日:水曜日+第2第4火曜
HP : https://www.motojoy.jp/
EMAIL : sato@over.co.jp

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