取材協力:カワサキプラザ東京足立(B.F.ViVid株式会社) 取材:村田奈緒子
掲載日:2025/07/28
国内で販売するすべてのカワサキのバイクを取り扱い、五感で楽しめる空間やおもてなしなどの多角的な活動も含めてサービスを提供する専門店、カワサキプラザ。2017年春から本格的にこの専門店の取り組みは全国展開したが、その東京第1号店として2018年にオープンしたのが『カワサキプラザ東京足立』だ。2024年2月には店内を「2.0世代」へとリニューアルし、さらなる発展を見据えて営業とメカニックを募集している。
代表であるゼネラルマネージャーの田村知徳さん。モトプラザカワサキ店と、39年に渡りカワサキ車を取り扱ってきた歴史とノウハウを持ち、お店主催のツーリングイベントの行き先やルートも田村さんが設定している。
田村代表:私のバイク業界での経歴は、1986年に先代が創業したカワサキメインのモトプラザカワサキに携わることになったことからスタートしました。その後、2003年に当社の代表に就任し、店舗を現在の場所に移転してリニューアル。その頃からツーリングやサーキット走行会も開催し、「一人だとどこへツーリングへ行っていいか分からない」という方や、走りに不安のあるビギナーの方々に、実体験を通してバイクの楽しさを伝えることを大切にしてきました。
そうしてモトプラザカワサキとしての営業を続けるなか、新たにカワサキブランド専門店 “カワサキプラザ” の展開がスタートしました。当社は古くからコンスタントにカワサキの新車を販売していたこともあり、カワサキに特化したほうがスタッフもより働きやすいだろうと感じていたこと、イベントを通じて若い世代やビギナーにバイクの楽しさを広めたいという思いが強くなり、2018年に「カワサキプラザ東京足立」としてリニューアルオープンしました。2024年には店舗の外観/内観を「2.0世代」へとリニューアル。外観はガラスが多くて店内が見やすく、内観はアパレルの展示スペースが増えたことで、若い世代やリターンライダー、女性の方にも気軽に来店いただける機会が増えたことを実感しています。
田村代表:ショップとしての進化はもちろんですが、今年からは組織を強化するためのインナーブランディングにもより積極的に取り組んでいます。お客様の増加に伴い業務が増えるのはありがたいことですが、その一方で日々の仕事をこなすだけではスタッフの士気も上がりません。会社としての目標や方針などは言葉で伝えるようにしてきましたが、忙しいとなかなかそこに気持ちがフォーカスできていないこともあります。
そこで外部の経営コンサルタントに依頼し、客観的な視点も取り入れながら課題解決やアイデアの獲得にも努めています。その取り組みの一例として制作したのが、CREDO(クレド)カードです。ラテン語でクレドは「信条」「志」「約束」を意味し、企業においては従業員が共有する価値観や行動規範を簡潔に表現したものを指します。折りたたむと名刺サイズになるようなものを作成し、スタッフに配布。社外の方に弊社の説明をする際に使ったりしています。内容は特別難しいことは書いてはいないのですが、改めて明文化し、視覚的にいつでも振り返ることができるものを作成したことで、スタッフからは「見える化して気持ちが変わった」という言葉も聞かれました。
経営理念やビジョン、人事理念、基本方針、行動理念と5つの項目をシンプルにまとめたクレドカード。従業員が常に持ち歩けるサイズで作成され、「みんなで同じ方向を向いて進んでいこう」という田村代表の思いが表現されている。
田村代表:そして今は、評価制度の見直しにも取り組んでいます。資格の有無など含めて細かい設定だけでなく、私以外にも業績や能力の評価をする者を設け、より公平で客観的、そして明確な人事評価制度を考えています。新しい評価制度は、今秋から導入予定で進めています。
こうした取り組みを改めて見直している理由のひとつに、2店舗目を見据えた計画があります。2店舗目に関してはいろいろと検討している段階ですが、年単位で実行していく予定です。だからこそスタッフの育成とともに組織力の強化が大切だと思っています。具体的な目的に向かって、同じ方向に向かっていける組織でありたいと思っています。
田村代表:先ほどもお話したように中長期的な計画として、さらなる事業規模の拡大を考えています。バイクショップですからバイクが好きな方に越したことはありませんが、既存事業の強化や新規事業への進出にあたっては異業種での経験や知識がある方も大歓迎です。
例えばカワサキプラザにリニューアルしてからアパレル販売にも力を入れているので、アパレル業界での経験がある方もうれしいなと思います。バイク業界は男性が多いイメージがありますが、弊社は女性の店長が中心となって和気あいあいとした雰囲気です。弊社独自企画で、もっともっとバイクを楽しむことをお客様に提案していきたいと思っています。またメカニック希望の方は、働きながら整備士資格を取得できるようアドバイスやサポートする体制も整っています。未経験の入社の方でも、ぜひ2級整備士、検査員を目指してほしいですね。カワサキには電動バイクやハイブリッドもあるので、好奇心があり、何でもトライできる柔軟性がある方なら、楽しんで働けると思います。
入社して9年目、2024年9月より店長を務める田村桂子さん。彼女の家族(夫、息子、娘)も全員バイク乗りという「バイク一家」で、ご自身は二輪品質評価者の資格も持つ。
田村店長:大阪出身の私ですが、結婚後に主人の仕事の関係で関東にきてもう25年ほど。結婚前は百貨店に勤めていたのですが、転勤と子育てでしばらくは専業主婦でした。子供の手が少しずつ離れたタイミングで改めて働くことを考えた時に、バイク関係に携わりたいなと思って、まず用品店のパートとして仕事復帰しました。そして子供たちも成人して、正社員として働くことを考えた時もやっぱり私自身が好きなバイクに関わりたいなと思ったんです。ずっとカワサキ乗りだったこともあって、『カワサキプラザ東京足立』の求人を見つけた時はすぐに応募しました。
パートから正社員に、用品店からディーラーにと働き方が変わって、扱う商材の変化にまずおもしろさを感じましたね。金額も大きく異なりますし、商材の知識だけでなく、それに付随する保険やローンなど社会の仕組みにも触れることで学ぶことがたくさんある。そこにやりがいを感じます。
田村店長:ショップが専門店形式に変わったことで、来店するお客様の雰囲気や求められるものが変わりました。特に女性のお客様が増え、バイクだけでなく「付加価値」を求める方が増えてきたと感じます。ですから、リニューアル時には2階の目立たない場所に女性専用トイレを新設したり、女性向けのアパレルコーナーを設けるなどの工夫もしています。
女性のお客様ではじめてのバイクとなると、配達納車を希望される方が多い傾向にあります。当店は環状七号線沿いに立地していて交通量も多いし、公道がはじめての方は不安も多いんですよね。私もはじめてバイクを購入した時の経験から、その気持ちはよく分かります。だからそうした方には、納車したら一緒にツーリングに行きましょうとお誘いするんです。例えばあまり遠くないカフェを目的地にしてのんびり走るという感じで女子ツーリングイベントを定期的に企画して、女性ライダーのサポートにも取り組んでいます。
田村店長:以前は、とにかく目の前のお客様により良い提案をと、いちプレーヤーとしてその実績を積み上げることだけに集中していました。でも店長になってからは若いスタッフの活躍を支援することに喜びを感じています。若いスタッフが難しい商談をまとめたり、お客様に喜んでもらっている姿を見るのがなにより嬉しいですね。まさに、子供の成長を見守る親のような気持ちです(笑)。「田村さんでもできたんだから、僕も店長になれる!なりたい!」と思われるような店長になりたいというのが目下の目標です。若手スタッフの成長を見逃さずに、良さや可能性をよりサポートしてあげたいと思うし、「店長になりたい!」というぐらいに自信をもてるようになってほしいと願っています。未経験でも、『カワサキプラザ東京足立』で働くと可能性は無限だと思います!ぜひ一緒に頑張りましょう。
20歳の頃からメカニックとしてバイク業界で働き始め、その当時は店長職も経験。40代後半までそのショップに勤めていたという松浦克明さん。一度業界を離れた後、54歳の時に現在の職場に復帰。
松浦さん:私が一度バイク業界を離れた理由は、多忙すぎて家庭の時間が取れなかったからでした。その後、一度違う仕事に就いたのですが、やっぱりバイクに携わりながら接客の仕事をしたいという思いから知人の紹介で田村代表に縁をいただきました。営業職を希望していましたが、メカニックとしての経験を買われ、現在があります。
仕事の内容自体は以前と変わらないものの、カワサキプラザシステムでは従業員の労働時間や休暇、福利厚生が整っているのがすばらしいです。現在は子供との時間を取るための有給休暇も取りやすく、就業時間もきちんとしているので家族からは「復帰して良かったね」と言われるのも嬉しいです。
松浦さん:弊社の田村社長はいい意味でバイク業界の典型的な「親父」タイプではありません。だからこそ、いまスタッフ間のコミュニケーションの取り方や目標値の示し方、評価制度の見直しなどを改善し、より良い働き方を構築しようとしています。そうした姿勢を見て、私自身もときに自分の意見を社長に伝えるたりと積極的なコミュニケーションを心がけています。どうしても年齢を重ねていくと経験による固定概念があったりと変化に対応しづらくなっている部分もあります。ですから、若いスタッフにも積極的に意見を言ってほしいと思いますし、これに関しては社長も同意見だと思います。より良い組織になるよう、一人ひとりの個性や良さを活かしていけるように、私もまだまだ学びながら頑張っていきたいです。
松浦さん:若いスタッフと働いていると、彼らに伝えるべきことと柔軟に解釈すべきことのバランスを取るように私自身も心がけています。さまざまな世代の方がお客様としていらっしゃるわけですし、いくら経験があたっとしても現代の価値観に合わないやり方はよくないですからね。ですから、新しく入社する方は、知識よりもまずは店のやり方を受け入れられる柔軟性が大切だと思います。
バイクは趣味の世界がベースとなっているので、お客様とのコミュニケーションを大切にできる方も向いていると思います。顔が見えるからこそ、常日頃お互いの理解があることで解決できることもあると思いますし、何かトラブルがあった時もお客様を家族や友人のように大切にできる姿勢を持てるかどうかで、お客様の受け取り方が大きく変わると思うのです。私はお客様と話をするのが大好きなので、メカニックの体制が十分に整ったら、私自身は テクニシャン/フロント として働きたいとも思っており、田村社長にも相談しています。
働き方はひとつとは限りません。『カワサキプラザ東京足立』で、あなたなりの働き方の可能性を探すというのも、ひとつの道だとおすすめします。
25年の春に入社したばかりの新人、松岡諒馬さん。入社直前に普通二輪免許も取得し、バイクライフもスタート!
松岡さん:家族全員がバイク好きで、幼い頃からバイクに囲まれた環境で育ちました。普通二輪免許取得前は、僕も原付に乗っていました。就職活動にあたってバイク業界で働きたいと思った時に『カワサキプラザ東京足立』を志望したのは、このディーラーが「バージョン2.0」という新しいコンセプトの店舗で、カワサキブランドの最新を感じられると思ったからです。入社後は、本社の明石で研修も受けました。僕と同じようにディーラーに入社した新卒が集う研修で、メカニック志望の同期ができたことも嬉しかったですね。
学生時代は飲食店でバイトはしていましたが、バイク業界は全く知識も経験もありません。ましてや僕自身はディーラーというのは敷居が高いと思っていました。でもカワサキプラザはいい意味で親近感があって現代的なカジュアルさもありながら、スマートでカッコいい!整備エリアも清掃や整理整頓が徹底されており、その清潔さにも好印象を持っています。こんな職場に入社できたのは、運が良かったと思っていますし、そう感じられるのは先輩たちのおかげだと思っています。
今後は、少しずつ学びながら整備士の資格も取得したいですし、バイクでキャンプに行ったりサーキット走行を楽しんだりと、僕自身のバイクライフも充実させたいです。
先輩メカニックに支えられながら、少しずつできることを習得。「和気あいあいとした雰囲気で、先輩たちにはいろいろと教えてもらっています」と、充実した表情。
JOBIKE編集部より
今回、取材中に「あなた、うちで働かない?」と田村店長にスカウトされた。半分笑い話のようなものだが、田村店長は日頃から、ピンときた人には一度声をかけるようにしているらしい。「この前は、笑顔が良かったので、たこ焼き屋でバイトしている方にも声かけたのよ。」と、笑っていた。取材を通してコミュニケーション能力が高い方だなと思ったが、果敢にスカウトまでしているのには改めて驚いたし、ユニークな方だなと思った。こう書くと、解釈によってはやや “軽いな” と方もいるかもしれないが、なにがきっかけで新しい道につながるかは誰にも分からないというころが、人と人の縁の面白さでもある。私事だが過去に産休中のスタッフの穴埋めで2ヶ月のバイトと聞いて始めた仕事が、結局5年ほどその会社に在籍したことだってある。仕事仲間探しにだって、軽やかな直感があっていいはずだ(と個人的には思う)。
前置きは長くなったが、カワサキプラザ東京足立は経験の有無を問わず、幅広い視野を持って人材を募集している。もちろんバイクの経験や知識があることに越したことはないが、明るく朗らかに、そして少しの好奇心があればOKなのだ。取材を終えた帰り道、「笑い話のようなスカウトだけど、田村店長の下で働くのはちょっと楽しそうだな」と思った。この記事を読んでカワサキプラザ東京足立に興味を持ってくれた方は、この楽しそうな予感を確かめるためにも、求人募集に一度コンタクトしてほしいと切に願う。
JOBIKE編集部より
カワサキプラザ東京足立(B.F.ViVid株式会社)
〒123-0843
東京都足立区西新井栄町3-16-19
電話:03-3886-8856
営業時間: 10:00~18:00
定休日 : 毎週火曜日、第1・2・3・4水曜日
HP : https://www.kawasaki-motors.com/ja-jp/plaza-store/tokyoadachi
EMAIL : tokyoadachi@kawasaki-plaza.net