取材協力:モータリスト合同会社 取材:小松 男
掲載日:2023/12/25
ランブレッタ、ファンティック・キャバレロ、SYMなどの長い歴史を持つモーターサイクルブランドから、ブリクストンやフェローなど新興ブランドや電動バイクブランドまで幅広く輸入し、国内でビジネス展開を行っているのが『モータリスト合同会社』である。その立ち位置は、バイクメーカーと言って過言ではない。この会社で働くことは、自分の価値や真価を発揮する上で好適なステージだといえる。
モータリスト社の代表を務める野口英康さん。自身が積極的にオンロード、オフロード走行、さらにカスタムやメンテナンスなどバイク遊び全般を楽しんでいる。
JOBIKEの特集記事においてモータリストのことを紹介して欲しいと、オーダーを受けた時に嬉しく思った。それは私が代表を務める野口英康さんのことを古くから知り、バイク業界の中でリスペクトしている一人でもあるからだ。もちろん、だからと言って今回の記事をひいき目に書くことはない。むしろ深堀りした内容になってしまうかもしれない。ただ先に伝えておくならば、代表の野口さんと一緒に働けるということは、その方の人生において一つのターニングポイントになるかもしれないということだ。まずは野口さんの話を伺う前に簡単な経歴から紹介していこう。
今から遡ること20年ほど前、私がバイクメディア業界に入って初めて野口さんと知り合った頃は、ハーレーダビッドソンジャパンに在籍されていた。お客様のことをしっかり考えたマーケティングを行って、日本におけるハーレーダビッドソンの存在感が一層増した時であり、まさに野口さんはその中核的な立場にいた。その後、ハーレーダビッドソンジャパンを退社された後、KTMジャパンの社長に就任された。少し前までオフロードセグメントの認知度が高かったKTMが、積極的にオンロードモデルを開発してマーケットに進出してきた頃である。当時の日本法人トップだった野口さんは、日本市場のためKTM社に250ccのDUKEを作らせて国内でのヒットを促した。KTMジャパンの次は、バイク用品の企画開発などを手掛けるサインハウスの代表に就任。新たにSYMなどの輸入権を得る。そして2020年に、自身で『モータリスト合同会社』(※以降モータリスト)を設立し、現在に至っている。
モータリストはこのような輝かしい経歴を持った野口さんが、新たなバイクシーンを国内マーケットで生み出すため立ち上げたインポートカンパニーなのである。それでは、モータリスト代表の野口さんから、同社の求人募集について話を伺っていこう。
モータリストへは、今までにも雑誌やウェブ記事で紹介するため広報車両をお借りしに何度も足を運んでいる。交通の流れの良い第一京浜(国道15号)沿いである上に、最寄り駅の雑色駅(京急線)とは目と鼻の先にあるといった好立地にある。倉庫を改築したまるでアジトの様な建屋に入るとモータリストが輸入しているバイクが何台も置かれている他、バーカウンター(飲食店営業許可も得ている)まで設置されていて、ワクワクするような空間が広がっている。
“ここから何か面白いことが始まる”そう感じさせてくれる空間なのである。オフィスルームから見えた野口さんとカウンター越しに、コーヒーを交えながらインタビューを始めた。
野口代表:
「これまで多くの海外ブランドに携わり、様々な経験をしてきました。その結果、自身の力で海外ブランドと向き合ってインポートを行い、日本国内のライダー達に広め楽しんでもらうというスタイルを確立したいと考えて、モータリストを立ち上げました。ランブレッタ、ファンティック/キャバレロ、SYMの3社の輸入からスタートして、現在では8つのブランドを手掛けています。
同社をバイクショップのひとつだと思っている方も多いようですが、実際のところは一般的なバイクショップと大きく異なり、あくまでもインポーターであり、またメーカー的な立ち位置での仕事を行っています。この場所で輸入したバイクを直接ユーザーへ売るのではなく、全国各地に私達が輸入したバイクを販売してもらえるディーラーを整備、その店舗に卸すことが中核業務となります。またバイク系イベントなどにも出来るだけ参加(出展)しています。そこでユーザーであるライダーの声を直接聞くこともありますが、どちらかと言うとユーザーと繋がっているのはディーラーであり、私達はそこからのフィードバックを受けて、さらにメーカー(インポーター)として対応しております。つまりディーラーであるバイクショップが同社のお客様であり、モータリストというのは、バイク業界の流れの中において、源流ともいえる場所に立って仕事をしていると思っています。
ランブレッタは、一度その名が途切れたこともありますが、長い歴史を持つブランドであるため、聞き覚えがあるという方もいました。しかしファンティック・キャバレロなどは日本上陸当初、知らない人も多くメディアやイベントを通じて各方面で紹介を続けてきた結果、その存在が定着してきました。
私達はブランド認知を広げていくことも大きな使命となっています。昨年は電動コミューターを製造するフェロー、今年はオーストリアのブリクストンモーターサイクルズなどの取り扱いを始めました。現在は小排気量から大排気量までオンロードもオフロードモデルも、さらにエンジンモデルも電動モデルも全てカバーするようになりました。これで国内のライダーが求めるモデルを全て提供出来る準備が出来たので、次なるステップへと一緒に進むためのスタッフに来てもらいたいと考えています。
経験の有・無は特に問いませんが、やはりバイクが好きであれば、より一層仕事を楽しんでもらえると思っています。そして何事に対しても好奇心を持って、接することが出来る人だととても良いです。バイクの車両そのものやバイク遊びに対して、ワクワク出来る人には持ってこいの職場環境といえます。メーカーとしての立ち位置でありながら、ユーザーとのコミュニケーション機会もある。それらを一貫して見ることが出来るのは、モータリストならではのことです」
野口さんのお話しでキーポイントだと思ったのは、メーカーとしてバイク業界の源流に立っているということだ。それでいながら少数一丸となり、ビジネスやマーケティングに取り組んでいるため自由度も高い。もちろん入社したばかりは、右も左も分からないことだらけだと思うが、それはどんな企業に身を置いても同じことだといえる。それよりも必要なことは、同社で自分が出来ることを探し出し行動すること。
そして会社が進めていることに積極的に参加することだ。これらは、何処の会社へ入社したとしても重要な点ではあるものの、それを実践出来る人にとってモータリストは、とても居心地の良い職場になると思えた。
小島聖美さん(2022年6月入社)。10年以上、シティホテルで働いてきた経歴を持つ小島さん。異業種に転職したことで、これまでの経験で活かせたこと、新たに身に着けたスキルなど伺った。
同社のインポーター、メーカーという業種を聞いても求職者にとっては、仕事内容のイメージが掴み難いかもしれないと思う。そこで実際にモータリストに在籍するスタッフ2名より、各々の業務内容や実際に働いて感じていることなどを伺ってみた。
小島さん:
フロントコンシェルジュとして、都心のシティホテルに10年以上務めていたのですが、新型コロナウイルスの問題でホテル業界は大打撃を受け、その時に将来的なことを考えるようになりました。そんな心境な中、昔からバイクを趣味として乗っていたことと、以前から知り合いだった代表の野口さんに声を掛けて頂いたこともあって、思い切ってモータリストに転職をしました。私自身がバイクに乗れるからと言っても、バイクの深い知識は無いですし、トランポへの積載なども苦手です。まずは協力して頂いているディーラーやユーザーからの問い合わせに、しっかりと応対するところからスタートしました。以前、フロントコンシェルジュをしていた経験は、丁寧に受け答えをすることや英語を使えることなどで活かせております。ホテル業界と比べて時間などに縛られることも無いので気持ち的にも今の方が楽です。もちろん、次々と仕事をこなしていかなければならないのですが、勉強をして学べる環境は楽しいですし、毎日が充実しています。
現在はパーツ管理をメイン担当としつつ、業務全般に携わっています。マルチタスク的な能力がある人には、特にやりがいがあるでしょうね。モータリストではバイクや自転車、パーツだけでなく、アウトドアグッズや食品関係も取り扱っているのです。商材が多いということは、それだけチャンスもあるということですよね。先日はメーカー的な特権で、MotoGPのバックヤードにも入れてもらいました。他の仕事では得られないような“ご褒美”が、あるのも嬉しいです。
橋詰 理さん(2020年9月入社)。バイクショップのメカニックとしての経歴を持つ橋詰さんは、モータリストのオープニングメンバーのひとりだ。同社のスタッフになることの魅力とやりがいを教えてもらう。
橋詰さん:
2000年代初頭に私がハーレーダビッドソンのディーラーでメカニックをしていた頃、野口さんはハーレーダビッドソンジャパンのスタッフとして、手腕を振るっていたことを見て知っていましたし、その後サーキットに走りに行った際なども、そこに来ている野口さんにばったり会うこともあり、話すようになりました。その野口さんがKTMジャパンの社長となった後、私も追う形でKTMへ入社しました。そしてKTMジャパンの組織変更に伴い、私も退社して故郷の長野に数年間戻っていたのですが、野口さんから新しい事業を立ち上げると声を掛けてもらい、再び東京で合流したのです。
モータリストでの業務内容は全国のディーラー開発、マシントラブルの根本的な対応を始めとするアフターセールス、さらには車両そのもののセールスも多少あります。私達が取り扱っている海外ブランドの車両は、国産ブランドと比べて製造段階での思想の違いなども見受けられるのですが、それをこうした方が良いと伝えると、次のロットから改良され送られてくることもあります。そのように自分自身がメーカー側の人間として意見をいえることは面白いですし、良い製品は自信を持って人に薦めることが出来ます。つまり仕掛け人として、チャレンジすることが出来るのです。
モータリストは立ち上げから3年が経ち、取り扱いブランドも随分と認知されてきました。でも、だからと言って現状に満足をしてはいません。全ては自分次第ですし、コンパクトにまとまった体制であることから仕事の自由度も高いといえます。メーカーとしての仕事や海外に行き来すること、さらにイベントの出展を始めとする様々な取り組み。お金を払っても出来ないような経験を沢山得られますし、モータリストにいて良かったと思うことは本当に沢山あります。
JOBIKE編集部より
オブラートに包まず、はっきり言ってしまうと、モータリストは“優しいが甘くはない”職場だと思う。ただ逆に考えて欲しい。ぬるま湯に浸かってつまらない人生を送るよりも、どんどんチャレンジして結果を残せるエネルギッシュな環境の方が、楽しく思えはしないだろうか? ディーラー開発やイベント出展のために全国各地に行くことが出来るし、海外へ飛んでの研修もあるだろう。
昔、出版社に務めている時に上司から「会社に務めているうちに、多くのことを体験し、経験を深めておくことが大切だ」と言われたことを想い出す。多くの会社が、毎日同じ場所に行って同じような作業を繰り返すことが業務であることに対して、モータリストは自身のやるべきことを見つけ出して自ら取り組む。どこでも、どんな時でもだ。
その自由さを活かして自分のステップアップに繋げられれば、きっと素晴らしい生き方となることだろう。給与面に関しても業界を見渡すと良い条件であり、就業に関する面も相談すればそれに応じてくれるだろう。夢を追いかけて、それを現実のものとして、実現したいとビジョンを描ける人には最適な場所だ。“君たちはどう生きるか”という問いに対しての答えの一つとして、モータリストに身を置くことが挙げられると思う。
JOBIKE編集部より
モータリスト合同会社
〒144-0055
東京都大田区仲六郷2-41-8
電話:03-3731-2388
営業時間: 10:00 – 18:00
定休日 : 毎週水曜日・木曜日
HP : https://motorists.jp/
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