取材協力:有限会社袖ヶ浦ホンダ 取材:小松男
掲載日:2024/03/25
千葉県に3拠点を構える『袖ケ浦ホンダ』グループは、創業から約60年を数える老舗バイクショップ。日本を代表する4大モーターサイクルブランド(ホンダ/ヤマハ/スズキ/カワサキ)のすべてを取り扱い、現在も全国屈指の販売台数を誇る名店である。
今回はそんな『袖ケ浦ホンダ』のスタッフへのインタビューを通して、スタッフ自身が感じている『ソデホン』の魅力をご紹介する。代表の優れた采配と、バイクを愛するスタッフの情熱、働きやすい職場環境など、長きに渡り多くのライダーとメーカーに支持されてきた裏側にについて伺うことができたので、バイク業界への就職や転職を検討している方には、ぜひ参考にしていただきたい。
昭和40年に産声を上げた『袖ケ浦ホンダ』。日本経済が第2期高度成長期を迎えたころに誕生し、バブル景気やバイクブーム、30年間に渡る平成の世を乗り切り、令和の今も力衰えることなく人々に愛されているバイクショップである。“ソデホン”という愛称を耳にしたことが有る方も多いだろう。
名店と呼ばれるようなバイクショップでも、様々な形でピリオドを打たれたお店もあるなか半世紀以上もの長きに渡り安定して会社が経営出来ていることは驚くべきことであるが、人と人とのコミュニケーションを大事にし、お客様と従業員のことを親身に考えることで成長を続け、昨シーズンはホンダ/スズキの2社において、販売台数が全国セールス4位となり表彰されるなど、その勢いは衰えるどころか増すばかりである。
長年ソデホンを率いてきた社長の小林さん(写真左)。
常務取締役の新川さん(写真右)は、魅力的な社長と職場に惹かれ、5年前に他店からソデホンへ転職してきた。
袖ヶ浦市にある本店と市原市にある五井店では国内4メーカーを取り扱い、近年はカワサキを除く車両の通信販売にも力を入れ、北海道から沖縄まで全国にバイクを販売している。本店のすぐ側にあるホンダドリーム袖ヶ浦は4年前にオープン。南房総エリア唯一のドリーム店として多くのお客様で賑わっている。
長年、同社を牽引している代表取締役の小林さんと、5年前に転職し、常務取締役を務める新川さんに話を伺った。
代表取締役 小林宏子さん: 四輪の販売店として創業し1972年10月に有限会社化、袖ヶ浦ホンダ本店を設立して二輪の専業店となりました。1985年には五井店を立ち上げ、2018年にはホンダドリーム袖ヶ浦をオープンました。二輪の専売店となってからは国内4メーカーを取り扱い、メーカーから販売実績の表彰を受けるまでになりましたが、これはすべて従業員の努力と、お客様からの信頼のおかげだと思っています。
社長の私には従業員の生活を守る責任があります。従業員から「勤めてよかった」と思ってもらえるよう、従業員の皆さんを家族だと思って預かる、そんな気持ちで仕事に向き合っています。
常務取締役 新川清太さん: 他のバイク販売店から転職し、今年で5年目になります。ソデホンでの仕事がとても楽しく、尊敬できる社長をはじめスタッフも魅力的な人ばかりで、仕事に熱中してアッという間に時間が過ぎてしまいます。
私たちは、トータルのサービスで “地域ナンバー1” になるべく動いています。より多くのお客様にバイクに乗っていただくため企業努力で販売価格を安くしたり、足着きで諦めていた人に向けてローダウンキットを独自開発するなど、ライダーの間口を広げる手法も積極的に取り入れており、北海道から沖縄まで全国のお客様に好評をいただいています。
今回募集する職種は営業と整備士で、新店舗の開店を見据えたさらなる業務拡張のための募集となります。私たちの社是に共感し一緒に道を歩んでくれる方に、ぜひ入社していただきたいです。素直に受け止めることができ、聞く力と行動力がある方であれば、どなたでも成長できると思います。
袖ケ浦ホンダ本店に在籍しているスタッフの大塚悠さん(左)と店長の北原由一さん(右)。
現在はお二人ともフロントサービス業務をメインとしているが、メカニックスキルも高いバイクのスペシャリストだ。
袖ケ浦ホンダ本店のフロントサービスとして活躍されている店長の北原由一さんと、大塚悠さんにお話しを伺った。まずは袖ケ浦ホンダに入社して17年になるという北原さんの話から紹介していこう。
北原 由一さん: 私は32~33歳の頃に袖ケ浦ホンダに入社しました。昔からバイクが好きで、実は17歳から約10年間は別のバイクショップに身を置いていました。そのお店を20代後半で辞め、その後はクルマのチューニングショップやハンドツールブランドの営業、飲食店など、職を転々としていたんです。そんな頃に、お客さんとして10代から出入りしていた袖ケ浦ホンダの代表から、一緒に働かないかとお誘いを受けました。当時は30代になっていたこともあり、そろそろ身を落ち着けたいと思い始めていたタイミングでした。声をかけてもらった時は、大好きなバイクに再び携われることが嬉しかったですし、代表に助けてもらったという思いもありました。
ソデホン入社時はメカニックスタッフとしてスタート。整備経験をしっかり積み、4年ほど前にフロントサービススタッフに任命され、現在に至ります。元々ソデホンが好きで、お客さんとして通っていたこともありますが、職場の雰囲気はとてもアットホーム(良い意味です笑)で、中途入社の私にもとても働きやすい環境です。
現在は店長という役職をいただいておりますが、まだまだバイクのことが大好きですし、お客様に喜んでもらうためにさらに環境を良くして袖ケ浦ホンダを盛り上げていきたいと思っています。
メカニックからフロントサービスへの転身には少々戸惑ったこともあったという北原さんだが、サービスへの転身でそれまでのメカニック専業の頃には知らなかったことも見えるようになり、「学びに終わることは無い」ことを改めて実感していると話してくれた。同じく袖ケ浦ホンダに在籍する大塚さんには、3年程前にインタビューをさせていただいたことがある。改めて、以前のインタビューから現在までにどのような変化があったのかを聞いてみた。
大塚 悠さん: 私は、整備学校のハーレーダビッドソン専科に通いながら袖ケ浦ホンダ系のハーレーダビッドソンディーラーでアルバイトをし、卒業後の2011年に正式に入社しました。その後ハーレーディーラーは無くなり袖ケ浦ホンダ本店に移動ということになり、現在はフロントサービスをメインに行いつつ整備にも携わっています。今でもハーレーディーラーの頃のお客様からメンテナンスを依頼されることがあり、同じお客様と長くお付き合いできることをとても嬉しく感じています。
実は前回インタビューを受けてから(3年前にJOBIKEの記事制作のために取材をさせていただいている)、家庭の事情で袖ケ浦ホンダを一度退職しています。元々機械いじりが好きなので、飲食店などに入る器具のメンテナンス業に転職しましたが、やりがいを見出すことができず、やはりバイクを触る方が好きだとずっと思っていました。退職から1年程経った頃にふらっと袖ケ浦ホンダに寄ってみると「戻る場所を用意してある」と言っていただきました。待遇面や福利厚生がしっかりしていることは分かっていたのですが、離職当時からさらに進化しているところもあり、安心して再就職させていただきました。
ソデホンには頑張り屋さんが多く、スタッフ同士の活発なコミュニケーションに良い刺激を受けながら、自分自身をさらにレベルアップすることができる職場だと思っています。生活基盤をしっかりと築き、安定させることのできる制度がある点も、大きな魅力のひとつです。
1年のブランクを経てソデホンに戻ってきた大塚さん。それぞれがそれぞれの人生を歩むなかで、家庭の都合や様々な理由でやむを得ず転職をするということもあるだろう。会社にとってスタッフが一人抜けることが大きな損失となる場合もあるが、退職した元従業員に対して、戻ることができるステージを用意して待っていてくれるという姿勢にも、ソデホンの “人の心を大切にする企業体質” が表れていると私は思う。
整備士系の専門学校を卒業した後、カーディーラーに勤めていたという内野真琴さん。 実は学生時代に袖ケ浦ホンダでアルバイトをしていたことがあるという。
袖ケ浦ホンダ本店の並びにあるホンダドリーム袖ケ浦。“ホンダドリーム”はホンダ製モーターサイクル全車種を取り扱う専門店であり、言うならばメーカー直系的なバイクショップである。様々なバイクメーカーを取り扱う袖ケ浦ホンダ本店とは異なり、ホンダ車一色のステージで働いているスタッフの内野真琴さんに話を伺った。
内野 真琴さん: 昔から機械関係に興味があり、整備士免許を取得できる専門学校に進学しました。学校卒業後はカーディーラーに就職しメカニックスタッフとして仕事をしていたのですが、勤めていたカーディーラーがノルマや数字に厳しく、それに疲弊して4年程で退職しました。自分のやりたいことを見つめ直し、元々バイクが好きだったことや、バイクに携わる仕事がしたいと思っていた頃に小林代表に声を掛けてもらい、袖ケ浦ホンダに入社しました。学生時代に袖ケ浦ホンダでアルバイトをしていたことがあり、当時は洗車程度しかできなかったのですが、整備士免許を取得し自動車業界にも身を置いていたことで多少は即戦力となれたかもしれません。
以前の職場はスタッフの人数が多くなかなか細かい連携がとりづらかったのですが、今の職場は少人数でコミュニケーションを取りやすく、チームワークの良い職場なので的確なアドバイスを受けることもでき、働いていてとても助かる点となっています。袖ケ浦ホンダは古くからのお客様も大勢いますが、コロナ禍を経て新規のお客様も大幅に増えました。その多くはバイクビギナーなので、そういった方にもわかりやすくご説明、ご案内することを心掛けています。
袖ケ浦ホンダのスタッフは皆バイク好きです。もしスタッフに応募することを考えているならば、面接時に上手くバイク好きをアピールできると良いかもしれないですね!
以前勤めていたカーディーラーでは従事するスタッフの人数が多く、細かい連絡の行き違いなどもあったが、袖ケ浦ホンダはスタッフ同士のコミュニケーションを取りやすいと話してくれた内野さん。黙々と作業に没頭したい方でも、人との会話が好きという方でも問題なく働ける職場であることも付け加えてくれた。
高校を卒業して昨年4月に入社された丸山晴輝さん。 袖ケ浦ホンダでバイクを購入したことが就職のきっかけとなったそうだ。
本店からクルマで30分ほど離れた市原市にある袖ケ浦ホンダ 五井店。その規模は本店と比べても引けを取らず、本店と同じく国内4メーカー全てを取り扱っている。 ここからは袖ケ浦ホンダ 五井店に在籍するスタッフ、丸山晴輝さんと嶋田瑞貴さんの話を続けて紹介しよう。
丸山 晴輝さん: 中学生の時にバイク系Youtubeチャンネルにハマったことがきっかけで、バイクに興味を持ち始めました。高校に進学後に普通自動二輪免許を取得し、ホンダドリーム袖ケ浦でCBR250RRを購入したのですが、購入後のメンテナンスなどでお店に通っている中で、店長をはじめスタッフの対応やお店の雰囲気を気に入り、“将来はこんなバイクショップで働きたい”と思うようになっていました。
同級生が進学や就職を考え始めるころ、私も就職を考えていました。バイクショップで働きたいという思いはありましたが、高校に寄せられる求人案内にはバイク関係のものはなく、ソデホンで働かせてほしいとダメ元で店頭で直談判したところ、受け入れてもらえたのです。
丸山さんが直談判した当時のことを常務取締役の新川さんに伺ってみると「少し驚きましたが、やる気と情熱のある、とても素敵な青年が来たと感じました。」と話してくれた。
丸山 晴輝さん: 高校に通いながらインターン的な職場体験をさせてもらい卒業後に入社、ホンダドリーム袖ケ浦で二カ月間の研修を受けた後、袖ケ浦ホンダ五井店に配属となりました。もうすぐ入社して1年が経つ頃です。
私とソデホンとの関係は、お客さんとして通っていた頃とは立場的には変わりましたが、研修を実施していただいたり先輩社員からサポートしていただけることもあり、入社後は戸惑うことは特にありませんでした。最初こそ営業トークが難しいと思い緊張する場面もありましたが、それにも慣れてきたところです。
ソデホンに入社後、他の会社に就職した高校時代の仲間と会う機会もありましたが、就職した同級生と比べて給料などの待遇面も良いと感じています。夜勤も無いですし、なにより好きなバイクに囲まれて仕事が出来ていることを何よりも嬉しく感じています。
「バイクが好きだ」という思いのままに、ソデホンの門を叩いた丸山さん。インタビュー中も笑顔があふれ、充実した社会人1年目を過ごしていることがわかる。 続いては専門学校を卒業し新卒で入社された、嶋田さんのインタビュー内容を紹介しよう。
自動車関係の専門学校から新卒で袖ケ浦ホンダへと就職されたという嶋田瑞貴さん。 入社3年目となる現在ではメカニック、フロントどちらもこなせるようになった。
嶋田 瑞貴さん: 昔から機械いじりが好きで自動車関係の専門学校に進学しました。特にバイクが好きだったこともあり、通勤可能な圏内であったことや他社と比べて賃金面でも良かったことから、袖ケ浦ホンダへの就職を希望し、新卒で入社しました。
入社後は、最初はフロントサービス(営業職)に配属されました。学生の時に整備士免許を取得していましたし、「整備士志望の私がなぜ?」と最初は戸惑いましたが、実際にやってみると、お客様の話をしっかりと聞いて対応できるようになることが大切だと実感できましたし、一年後にメカニックスタッフになった際に、フロントサービスでの経験を活かした作業進行ができるようになりました。今では、フロントサービスでの経験が大きな力になっていると、日々感じています。
袖ケ浦ホンダ本店は長い歴史があることもあり、古くからお付き合いのあるお客様が多く、対する五井店は、街中という立地から若いお客様も多いという印象があります。ドリーム店にはホンダのビッグバイクを求めて来店する方も多く、グループ内で最も若い店ということもあり、ビギナーライダーさんもいらっしゃいます。歴史や立地が異なる店舗が複数あり、ホンダ/ヤマハ/スズキ/カワサキ と4大メーカーすべてを取り扱っているので、セールスとしてもメカニックとしてもスキルアップができる職場だと思います。なにより、バイク好きにはたまらない職場だと思いますよ。
以前勤めていたカーディーラーでは従事するスタッフの人数が多く、細かい連絡の行き違いなどもあったが、袖ケ浦ホンダはスタッフ同士のコミュニケーションを取りやすいと話してくれた内野さん。 黙々と作業に没頭したい方でも、人との会話が好きという方でも問題なく働ける職場であることも付け加えてくれた。
取材当日に店舗にいらっしゃった従業員の皆様。この集合写真からも和気あいあいとした雰囲気が伝わってくる。
スタッフ同士が信頼し合い、お互いにサポートできる環境が整っていることが、従業員満足度を高める秘訣なのだとか。
JOBIKE編集部より
袖ケ浦ホンダ系列の3店舗を取材させていただいたが、どの店舗もアットホームな雰囲気に包まれ、皆さんの言葉や表情からも働きやすい環境であることが伝わってきた。小林代表をはじめ会社全体がスタッフのことを家族同然と捉え、様々な経歴や背景を許容し、支え合いながら前に進んでいる。そしてそれが高い顧客満足度を生み出しているのだから、さらに仕事を楽しく感じられるだろう。もちろん、楽しいばかりが仕事ではない。しかし、人生のほとんどの時間を捧げる職場であれば、仕事とプライベートの両方をより充実させ、より楽しく、目標を持って互いをサポートし合いながら仕事がしたいと、誰もが願うだろう。
長くビジネスを続けるための最大のポイントは「働くスタッフが居心地が良いと思えること」だと考えている私には、ソデホンは理想的な職場であるようにも思えた。
袖ケ浦ホンダの待遇を調べてみると給与面、昇給、賞与、休暇、すべてにおいて良い条件であることが分かる。仕事に励んだ分だけ成長できるステージが整っており、自分の人生を着実にステップアップさせる場として、袖ケ浦ホンダの一員になることは大きな意味を持つ。そして、自分が掲げた目標に到達した時の達成感は何物にも代えられないだろう。
今回のインタビューを通して、ソデホンでは二輪業界での就業経験の有無を重視しているわけではないこともご理解いただけたはずだ。バイクが好きで、バイクの販売に携わりたいと思っている方であれば、迷わずソデホンの門を叩いてみてほしい。
JOBIKE編集部より
有限会社袖ヶ浦ホンダ
〒299-0264
千葉県袖ケ浦市今井1-37-2
電話:0438-62-0082
営業時間: 10:00~19:30
定休日 : 不定休
HP : https://sodehon.com/
EMAIL : mail@sodehon.com