取材協力:有限会社袖ケ浦ホンダ 取材:村田奈緒子
掲載日:2025/04/14
千葉県に3拠点を構える『袖ケ浦ホンダ』グループは、1965年創業のバイクショップ。
4メーカー(ホンダ/ヤマハ/スズキ/カワサキ)を取り扱う袖ケ浦ホンダ本店と五井店、そして2018年にオープンしたホンダドリーム袖ケ浦を展開する。地元だけでなく、東京や埼玉、神奈川と商圏は広く、在庫保有数の高さも人気の理由の一つ。3つの販売拠点のほかに4つのバックヤードを有して潤沢な在庫を実現している。そんな老舗の優良店『ソデホン』が、次なる未来をつくるスタッフを募集している。
写真右から代表取締役・小林宏子さん、常務取締役・新川清太さん。
まずは袖ケ浦ホンダ本店にて、代表取締役の小林宏子さんと、常務取締役の新川清太さんにインタビューを行った。ソデホンのこれまでの成り立ちや近年の取り組み、残業時間の削減によって生まれた変化などをご紹介しよう。
『ソデホン』について教えてください。
小林社長:四輪販売店として1965年に創業し、その後1972年の法人化のタイミングで袖ケ浦ホンダ本店を設立、二輪の専業店となりました。1985年には五井店を立ち上げ、夫が立ち上げたこの会社を私が引き継いだのは2007年。そして2018年にはホンダドリーム袖ケ浦をオープンしました。
おかげさまでメーカーから販売実績の表彰を受けるまでになりましたが、これはすべてスタッフの努力とお客様からの信頼のおかげです。これからもこの会社を維持し、未来の世代に引き継いでいくために、新川常務といろいろな仕組みを模索しています。少しずつスタッフ間にも新しい風が吹いている気がします。
御社の強みや課題、取り組みなどを教えてください。
新川常務: ソデホンの強みは“圧倒的な在庫”です。時代に逆行しているスキームかもしれませんが、当社の強みをとにかく強化してきた結果、いまがあります。どこにも負けない在庫があることで、お客様のバイク熱にすぐに応えられ、それが評判となって、遠方からも来店いただくことがとても多いんです。
その一方で、スタッフの営業力が高いわけではないという課題もありました。ですが、考え方を変えれば、営業力に伸び代があるということ。そのため、まず入社したら営業研修の期間をしっかりと設けるようにしました。言葉遣いや所作、電話対応やお客様接客など、最大で半年ほどかけて1人で営業できる基礎力を身につけてもらうようにしています。
近年の働き方の変化についてお聞かせください。
小林社長:いまは新川常務の徹底管理で、残業が本当に少なくなりました。残業しているとむしろ「帰りなさいって言われたけど、業務が終わってなくて…」と相談にくるスタッフもいます。私にできることはするけれど、でも私も帰りなさいと言っています(笑)
新川常務:限られた時間の中で業務を終わらせるために、日々考えながら仕事して欲しいと伝えています。そして時間になったら、「帰りなさい」と最初は口をすっぱくして言ってましたね。今では “残業なし” はだいぶ浸透しつつあるので、今後もこの方針を推し進めていきたいと思っています。
勤務時間が短くなることで、業績に変化はありましたか?
新川常務:働き方の改革を進めることで勤務時間は短くなりましたが、昨年の業績はむしろ過去の約2倍に成長したくらいです。様々な要因が合わさった結果ではありますが、会社全体に作業効率を意識した働き方が広がり、スタッフにも良い効果が生まれていると思います。
我々も従業員に対して、単に「帰れ」と指示するだけでなく、朝礼や夕礼、会議やミーティングなどの見直し(一部廃止)を行ったり、「その仕事は今やらなくても、明日に持ち越しても大丈夫だよ」と声掛けを行ったりしています。
今後実施を予定している取り組みはありますか?
小林社長:従業員こそ会社の未来です。働いている従業員が一生懸命になれることが最も重要なことだと思うので、今後も試行錯誤をしながら時代に合った働き方を模索していきたいと思っています。
新川常務:まだ実施はできていないですが、3店舗間でのジョブローテーションも検討しています。同じ環境に長く居ると、どうしても緊張感もなくなりますし、成長の伸び代に気づかないというマイナス面もあります。どこでも通用するような柔軟なワークスタイルをかなえるのは難しい面もあると思いますが、変化が激しい時代においてそうしたチャレンジをして、会社として底力をアップするのは大切だと考えています。
新しいスタッフに求めることはありますか?
小林社長:ソデホンは学歴や経歴はまったく気にしません。元気で素直に、そしてお客様ときちんと向き合ってその声に真摯に応える。それを体現できるスタッフの一人ひとりが、今日のソデホンを築いてきました。その一員として、一緒に活躍したいと思ってくれる人とご縁があると嬉しいすね。
昨年もインタビューさせていただいた北原店長には、ご入社の経緯や近年の職場環境の変化について伺った。
入社の経緯や現在の役職について教えてください。
北原店長:私がソデホンを最初に知ったのは、10代の頃でお客さんとしての出入りがきっかけでした。いくつかの職を経て、30代前半の頃に代表から一緒に働かないかと声をかけてもらったのが入社のきっかけです。昔からバイクが好きで、バイクショップで働いていたこともあったので、こうして大好きなバイクに再び携われることが嬉しかったですし、代表に助けてもらったという思いもありました。入社当時はメカニックスタッフとしてでしたが、フロントサービススタッフに任命され、そして現在は店長という役職をいただいています。
労働環境の変化について教えてください。
北原店長:長年勤めてきて、1番変わったことは勤務時間の短縮や休みが増えたことですね。時代の流れに合わせて、会社も柔軟に変わってきたと思います。残業をなくすということに関しては具体的な時間短縮が必要なので、朝礼のミーティングを短くしたりする一方で、スタッフ間のコミュニケーションが減ることのないよう、最適なかたちを模索中です。お客様に喜んでもらうためにも、スタッフが気持ちよく元気に働くことができる環境は大切だと思うので、引き続きより良い環境づくりも心がけながら袖ケ浦ホンダを盛り上げていきたいですね。
本店からクルマで30分ほど離れた市原市にある袖ケ浦ホンダ 五井店。ここからは袖ケ浦ホンダ 五井店に在籍するスタッフ、丸山晴輝さんのお話を紹介しよう。
入社のきっかけや経緯を教えてください。
丸山さん: 中学生の時にバイク系Youtubeチャンネルにハマったことがきっかけで、バイクに興味を持ち始めました。高校に進学後に普通自動二輪免許を取得し、ホンダドリーム袖ケ浦でCBR250RRを購入し、購入後のメンテナンスなどでお店に通っている中で、店長をはじめスタッフの対応やお店の雰囲気を気に入り、“将来はこんなバイクショップで働きたい”と思うようになっていました。
当時、高校に寄せられる求人案内にはバイク関係のものはなく、ソデホンで働かせてほしいとダメ元で店頭で直談判したところ、受け入れてもらえたのです。
入社前とのギャップや現在の働きぶりはいかがですか?
丸山さん:入社当時は大型二輪の免許もなく、バイクの知識もありませんでしたが、入社3年目となり少しずつお客様からの指名をいただいたり、商品知識が増えていることの実感があったりと、とてもやりがいを感じています。
ソデホンの魅力は4メーカーの取り扱いがあること。そのおかげでメーカーの垣根を越えて、知らなかったバイクのことを学べるのはとても嬉しいです。好きなものの知識が増えることでお客様とのコミュニケーションが広がっていったり、そうしたやりとりの実践のなかでまた発見があったりする日々です。
入社前は残業も多そうなイメージがあったのですが、ソデホンは本当に残業が少なくて仕事後にバイクに乗ったりできる時間が、良いリラックス時間になっています。
入社後の研修内容や、今後の抱負を教えてください。
丸山さん:入社後は先輩にロールプレイング研修をしてもらったりしたので、現場デビューはそこまで緊張しませんでした。ただやはり扱う商品にはある程度知識が必要ですし、まだまだやりきれていないこともあるので、まずは営業面をしっかり構築したいですね。ゆくゆくは整備も学んでいきたいです!
ホンダドリーム袖ケ浦のオープンに合わせて入社した山田篤志さん。現在は店長を務め、6名のスタッフとホンダドリーム袖ケ浦を切り盛りしている。
ご入社の経緯や、お店の特徴を教えてください。
山田店長:前々職はバイク関係でしたが、前職は飲食関係で、当時は休みが月に2日ほどという過酷な職場でした。ソデホンに入社したきっかけは、前々職の上司だった新川常務に声をかけてもらったことでした。その後、ホンダドリーム袖ケ浦のオープンに伴い店長に就任、現在に至ります。
ソデホンの凄いところは、なんといっても在庫数です。潤沢な在庫があるから、お客様に臆することなく提案でき、それが結果として喜ばれるという好循環を生み出しています。ドリーム袖ケ浦においても戦略は一貫していて、豊富な在庫を求めて遠方からもお客さんがいらっしゃいます。
ご入社後に、働き方の変化はありましたか?
山田店長:働き方でいうと、昨今の残業なしの取り組みは僕自身も新鮮でした。最初はたかが1時間早く帰れたところで…と思っていたのですが、その1時間があることで家族と夕飯を食べることもできています。私は細かい作業が好きな性格で、絵を描いたりプラモデルを作ったりという趣味があるのですが、帰宅後に趣味の時間を設ける気力も残っていたりと、自分時間を持つことで気分転換し、翌日も仕事頑張ろう!という気持ちを持てるので、とても良い取り組みだと感じています。
その反面、日々の仕事においては時間内に終わらせるための段取りや、スタッフ間の協力が欠かせません。他の一般的な企業と同様にソデホンにも役職はありますが、上司と部下という言葉から連想される序列の感じがあまりないので、チームとしての団結力があり、仕事はやりやすいと思います。
入社を検討している方に、メッセージをお願いします。
山田店長:ソデホングループは、いい意味で上司と部下の関係が厳しくない環境だと思います。お互いにリスペクトしながら仕事に打ち込むことができ、いちから知識と経験を習得できる職場だと思います。
また、ホンダドリームは全車種を取り扱う専門店なので、ホンダの知識に集中できるという良さもあります。
私自身、前々職では営業として勤めており、整備の経験が無かったのですが、ソデホンに入社後に整備についてもじっくり勉強でき、結果的に営業力も向上してきたと感じています。既にメカや営業の経験がある方はもちろん、未経験の方が成長できる環境も整っていると思いますので、ぜひ応募してほしいですね。
JOBIKE編集部より
グループ3店舗を取材させていただいたが、どの店舗もアットホームな雰囲気が印象的だった。とくに話を伺って驚いたのは、小林代表が従業員の実家にもコンタクトして、彼らの働きぶりや評価、そして日々尽力してくれていることへの感謝を伝えていることだった。新卒入社を控えた若いスタッフのご両親には、入社前の不安を解くように電話を差し上げることもあるそうで、新川常務は「小林代表は、僕よりもうちの親父と電話していると思いますよ」と笑うほどだ。
上記のエピソードからも分かるように、小林代表の人柄の根本にあるのは、どこまでも人と人との付き合いを大切にしたいという思いだ。1965年に創業し実直に商売に邁進しつつ、スタッフの育成にも力を入れてきたという。
「もし仮にスタッフが退職して他の会社にお勤めすることになったとしても『さすがソデホンに勤めていたことはある!』と言っていただけるような社会人になってほしいと願うし、そうやって言っていただけるスタッフを育成するのが雇用する私たちの義務だと思います」と、小林代表と新川常務は語っていた。
働くことの意味や目的はさまざまあるが、『ソデホン』には労働の対価として収入を得ること以外の意味や意義を学ぶことのできる出会いがあるのではないだろうか。
JOBIKE編集部より
有限会社袖ケ浦ホンダ
〒299-0264
千葉県袖ケ浦市今井1-37-2
電話:0438-62-0082
営業時間: 10:00~19:30
定休日 : 不定休
HP : https://sodehon.com/
EMAIL : mail@sodehon.com