取材協力:株式会社シュアショット 取材:沼尾宏明(スタッフインタビュー=小松男)
掲載日:2024/12/16
千葉県八街市に店を構える『SURESHOT(シュアショット)』。国内最高峰のカスタムコンテスト『ヨコハマ・ホット・ロッド・カスタムショー』で、最優秀アワードを二度も獲得したトップビルダーの一角であると同時に、ハーレーを中心とした中古車の販売や車検整備などを行う、バイクショップでもある。国内随一のカスタム設備に加えて、福利厚生をはじめ、安心して働ける環境を整えていることが特徴だ。
代表の相川拓也さんが『SURESHOT(シュアショット)』を設立したのは2004年。やがてカスタムビルダーとして頭角を現し、2019年と2021年の『ヨコハマ・ホット・ロッド・カスタムショー』の最優秀アワードをはじめ、多数の賞を獲得してきた。
カスタムに詳しい人には説明不要だろうが、同ショーは日本最高峰のカスタムコンテストであり、世界的に見てもそのレベルの高さはトップ3に入るほど。シュアショットは、優勝した年以外にも例年アワードを受賞しており、国内だけでなく海外からのオファーも多数。2024年末の同ショーではROYAL ENFIELD社からの依頼で制作した車両が『BEST EUROPEAN』を含む3冠を達成するなど、華々しいショーでの実績をご紹介するだけで、シュアショットがどれだけ凄いショップなのか、お分かりいただけるだろう。
シュアショットではショーモデルの製作をしながら、コンプリート車やオリジナルパーツを販売している。さらに、カスタムオーダーも受け付けており、全国からお客様が絶えない。また、カスタムだけに特化したショップというわけではなく、ハーレーを中心とした中古車の販売や整備など、一般的なバイクショップとしてのビジネスもしっかりと行っており、車両を知り尽くし、カスタムで培った腕は整備や点検でも遺憾なく発揮されている。カスタムと販売&整備の双方をこなすショップは実に稀少なのだ。
シュアショット代表の相川拓也さん。日本はもちろん海外からも高く評価されている実力派ビルダー。神戸出身の49歳(取材時)で、17歳からバイクに乗り続けている。普段はハーレーでのツーリングのほか、サーキットやオフロード走行も楽しむ。
シュアショットを牽引している相川さんは、大学時代から趣味としてバイクのハードカスタムを楽しんでいたそう。“好き”が高じてバイクショップに就職し、その後ご自身のお店をOPENされた。現在はカスタムビルダーとして大成し、まさに夢を実現したと言えるが、シュアショットを起業するまでの修業時代は苦労の連続だったそうで、まずは二輪業界で働き始めるきっかけや、当時の働き方について伺った。
相川代表:大学生の頃からバイクのカスタムを楽しんでいましたが、次第に整備士の資格を取得したいと思うようになり、大卒後の1998年に、全国展開している大手バイクショップにメカニックとして入社しました。資格の取得が大きな目的だったので、「2年間は絶対に勤務する」と心に決めていました。
その後、整備士の資格を取得した後に、千葉県内にある旧車のハーレー屋に転職しました。ともに、仕事の密度が濃い上に、昔ながらの丁稚(でっち)奉公のような勤務実態でした。当時は若年層の労働人口も多く、どのような業界でも同じような働き方が当たり前だったこととや、「いつか自分のお店を持つ」という新しい目標ができたため、あまり気にはなりませんでした。
相川代表:旧車のハーレー屋での勤務経験を経て独立開業しシュアショットをOPENしました。一昔前まではハードなカスタムショップは待遇が悪いイメージがありましたが、当社では社労士の顧問をつけて制度を整え少しずつ改善してきました。今ではバイク業界全体を見ても、他社と比べて決して悪くない待遇だと思います。社会保険への加入はもちろん、休日は年間106日+有給休暇をしっかりとってもらっています。週末に家族とのイベントもあるでしょうから、シフトは出来るだけ希望に沿えるように柔軟に対応しています。
メカニックの賞与は2回、営業は個人および会社の売上に応じて年4回。昇給は年1回あり、残業代や深夜手当も全て出ます。有給休暇はしっかり取れて、期限内にきちんと消化しています。特にここは他社さんと比べても大きな強みかと思います。
当社は、スタッフが家族を持ち、養える環境でありたい。入社するスタッフには安心して長く働いて欲しいのです。
相川代表:私自身の経験から、カスタムショップの仕事においても生活や家庭を安定させることができ、他では得られないような特殊な技能や経験が身に着けられるような、そんな職場にしたいと常々思っています。
カスタムショップと聞くと “激務薄給” や “丁稚奉公” というキーワードを思い浮かべる方もいると思いますが、時代の移り変わりによって労働者の働き方が変わり、労働人口も減少するなかで、「時代にマッチした働き方を実現させる」ということも、企業としての大きな目標のひとつです。
ご自身の修行時代のことを「当時は当たり前」と振り返る相川さん。しかし、労働人口の減少や世の中の変化に合わせ、カスタムショップの仕事においても「時代にマッチした働き方を実現させたい」と思うようになったのだとか。給与や休暇などの福利厚生を充実させ、働きやすい制度を整えることに妥協はなく、「スタッフが家族を持ち、養える環境でありたい」という相川代表のお話しからは、カスタムショップという表面的な部分だけでなく、一企業としてのしっかりとした責任感と思いが伝わってきた。続いては、実際の職場環境や働き方について伺った。
相川代表:大学を卒業して最初のお店に就職して以来26年、バイクショップやカスタムの仕事を続けてきましたが、年数が経てば経つほど発見や気付きがあり、私自身もとても楽しんで仕事をしています。バイクだけでなく、「メカを探求する」という気持ちがある方なら同じように楽しめると思いますし、追求しがいのある一生の仕事だと実感しています。
メーカーの純正バイクは、万人に向けたセッティングで、安全マージンを非常に大きく取っているものですが、カスタムショップはお客様と直接コミュニケーションを取り、お客様ひとりひとりの使い方に合わせて、その人が楽しいと感じるチューニングを施していくことができます。単に整備をするだけでなく、これこそがバイク屋の醍醐味であり、存在意義だと考えています。
相川代表:当社の強みは、カスタムに関する設備とスキルを常に増強し続けている点です。例えばワンオフでマフラーを製作する際、旧車ならキャブをいじれば済みますが、インジェクション車ならシャーシダイナモがないとセッティングができません。また外装の製作にしても最新の加工マシンを常に導入しています。創業から20年間、設備投資を続けているため、カスタムの設備とノウハウは恐らく日本で一番充実しているはずです。
相川代表:安心して長く働ける環境で、多くの経験を積んでいただきたいと思っています。
当社は自社で何でもやるスタイルでカスタムを行っているので、普通のバイク屋さんには置いていないような工作機械も多数あります。試行錯誤を重ねながらイメージを形にしていく過程で、多くの経験を積んでいただけると思います。「普通のバイク屋さんで働いてきたけど、もっとカスタムの経験も蓄えたい!」そんな方にはとても楽しんでいただける環境になっていると思います。
不安なことや分からないことはコミュニケーションを取りながら進めていければと思うので、安心してください。
設備は社員が自由に使うことができます。また、社員はパーツを原価で購入できるため、みんな自分のバイクをガッツリカスタムできます。私としても、どんどん自分の愛車をいじってスキルアップしてほしいと考えています。
相川代表:ヨコハマ・ホット・ロッド・カスタムショー(12月第1日曜開催)の前に製作期間として1か月半ほど休業し、1台のカスタムに集中して取り組みます。ショーに向けての期間中は、他で絶対に味わえない濃さが経験できます。時には深夜まで作業することもありますが、当然しっかり手当を出しています。
ショーはただの展示会ではなくコンペティションなので、出すからにはトップを狙う意識を持って、一つの目標に向かって全員で力を合わせて挑みます。全員で挑んでいるので、アワードが取れればスタッフみんなで表彰台に上がるのですが、過去には感動して泣いてしまうスタッフもいました。
大人になると、そんな熱い気持ちになれる機会はなかなかないですよね(笑)。
相川代表:今回は営業とメカニックを募集します。
現在のスタッフは私のほかに、メカニックと事務が1名ずつ、パートのメカニックが1名、スポットのメカニックが3名在籍しています。さらに2025年、正社員のメカニックを1人増員する予定です。
【営業の場合】
車両の磨きや登録、車検など、一般的なバイクショップでも行うような基本的な作業を行ってもらいます。ご自身が想い描くスタイルをお客様に薦めて、それが高い技術を持つメカニックの手によって造り上げられるのですから、営業スタッフのお仕事もやりがい充分です。
私自身がもっとカスタムに携わる時間を増やしたいと思っているので、接客、販売、仕入れなどの業務を一通り把握していただいたら、ゆくゆくは店長を任せたいとも考えています。
【メカニックの場合】
同じ作業を淡々と行うことはありません。扱う車両はカスタムバイクなので1台ごとに全く違いますし、1940年代から現代の新車まで扱います。
また、ショーバイク制作やカスタムにおいては部品の加工も行うので、カスタムのイロハを学びたいという方、もう一歩先のカスタム領域に踏み出したいという方からのご応募もお待ちしています。
相川代表:経験者はもちろん優遇しますが、未経験の方でも大丈夫です。ありきたりになってしまいますが、真面目で責任感のある方に向いている仕事だと思います。
【営業の場合】
ハーレーが好きで、カスタムに興味がある方であれば、シュアショット仕事をこの上なく楽しんでもらえると思いますし、他のバイク屋さんよりバイクを売るのが楽しいと思います。自分が売るものに対して自信がないと営業をするのはは難しいと思いますが。その点、当店が扱う車両は唯一無二なので “他の店より安い” といった売り方をせず自信を持って営業トークができると思います。
【メカニックの場合】
ハーレーの知識よりメカニカルな部分に興味があって、知識を深めたい人が望ましいです。二輪の整備経験がなく、クルマや農機具の整備しかやったことがない人でも大丈夫です。実際そういう方も採用してきました。
カスタムは外見に目が行きがちですが、そこは本質ではないんです。“カッコいいバイクを作りたい” というのはキッカケとしてアリですが、やはり中身が大事。当社でもカスタムに関しては耐久性と安全性を何より優先しています。人の命を預かる仕事という責任感がある人に来て欲しいですね。
本田さん:前職はアメ車屋で整備の仕事をしていましたが、その会社を退職してから自分でクルマの整備業を行っています。元々ハーレーが好きで私自身もハーレーに乗っており、家から10分くらいの場所にあるシュアショットには以前から顔を出していました。代表にメカニックを募集していることを聞き、次第に業務を手伝うようになりました。エンジンをばらしたり組んだりというのはクルマでもやってきましたし、車検整備などの大まかな流れは自動車の業界と近い部分もあるのですが、お客様のバイクを触るというのは初めてでした。ほとんどゼロの状態からショーモデルに仕上げるような経験もありませんでしたし、お客様のバイクを触ったこともなかったので最初は不安がありましたが、私が入社したころは『ヨコハマ・ホット・ロッド・カスタムショー』に出すバイクを作り始めていた時で、色々と大変ではありましたが、初めてのことも多く楽しかったです。さらにそのカスタムバイクが最優秀アワードを受賞したのですから最高でした。
本田さん:営業でもメカニックでも、ハーレーに興味を持っている人であれば向いていると思います。スタッフ同士のコミュニケーションもあるので、明るい性格の方であれば良いですね。ショーモデルを仕上げる時期を除けば、ほとんど定時で帰ることができます。社会保険もあり毎年昇給もあるので、安定して働ける良い職場だと思っています。是非、私たちと一緒に働きましょう!
JOBIKE編集部より
エンジンを含む中身のチューニングから、オリジナルフレームや外装の製作まで。シュアショットではイメージのおもむくままにバイク全体を劇的にカスタマイズできる。そして、それらを可能にする豊富な設備と、長年の経験と実績から生まれた膨大なノウハウが、シュアショットには蓄積されている。
これほどまでにバイク製作に関する設備を有し、社員が自由に使えるショップはそうそうない。しかも相川さんという著名ビルダーの元でカスタムができるという環境は、他社では得られない “スキル” を身に付けたい人に最適だろう。
他社では味わえない “経験” を得られることも、同社の大きな強みだ。チームとして一体となり、ショーの最優秀アワードを目指して邁進する体験は、まさにお祭りのようで抜群に楽しいはず。カスタムが好きな人、そしてメカニックやカスタムビルダーとしての腕を向上させたい人にとって理想的な環境といえるだろう。
給与、休暇、福利厚生に関しても充実しており、一般的にイメージされる「カスタムショップ」ではなく、しっかりした「企業」としての責任を全うしたいという理念と、時代に合わせた働き方をしてほしいという相川代表の従業員思いの姿勢が伝わってくる。
将来的には、さらにオリジナルパーツを充実させ、海外展開にも力を入れていきたいと相川代表。さらにホットロッドショーで最優秀アワード最多勝の「4回優勝を目指したい」と語る。こうしたスタッフの一員になることは実に夢がある。しかも夢だけではなく、働きやすい職場で将来設計まで描けるのだから、人生をかけて、飛び込んでみる価値は十分あると思う。
JOBIKE編集部より
株式会社シュアショット
〒289-1113
千葉県八街市八街へ199-1123
電話:043-312-0900
営業時間: 10:00~19:00
定休日 : 水曜日、木曜日
HP : https://sureshot.jp/
EMAIL : info@sureshot.jp